五月の七日間

映画『五月の七日間』について

『五月の七日間』（原題: Seven Days in May）は、1964年に公開されたアメリカのサスペンス映画で、ジョン・フランケンハイマーが監督を務め、バート・ランカスターやカーク・ダグラスなどの俳優が出演しています。この作品は、1962年に発表された同名の小説を基にしており、架空の1970年を舞台に、アメリカとソビエト連邦との核軍縮に関する交渉が進む中で繰り広げられる、秘密結社によるクーデター計画が描かれています。特にこの映画は、政治をテーマにした作品の中でも高く評価されており、2012年に米タイム誌が選んだ「史上最高の政治映画ベスト15」にもランクインしました。

ストーリー

物語の舞台は1970年5月。アメリカ大統領ライマン（演：フレドリック・マーチ）は、アメリカとソ連との間で結ばれる核軍縮条約案を提案し、この合意がソ連に受け入れられたことにより、国際的な緊張は緩和されていました。しかし、これは軍需産業の衰退を意味するため、軍関係者や企業家たちの激しい反発を招きました。

特に、米軍統合参謀本部議長であるスコット将軍（演：バート・ランカスター）は、条約への反対運動の先頭に立っていました。彼は、平和を約束する条約も所詮は紙切れに過ぎないと考え、軍事政権を樹立するために大統領を失脚させる計画を練っていました。彼は、次第にスピーチを通じて国民の支持を集めていきます。

その計画に懸念を抱くのが、スコット将軍の部下であるケイシー大佐（演：カーク・ダグラス）です。彼は将軍との信頼関係を持つ一方で、スコットからの暗号に怪しみを持ち始めます。ケイシーは、スコットの本当の目的について探るなかで、軍部の不穏な動きを見抜き、次第にその真相へと迫っていきます。

ケイシーは、スコットのクーデターを大統領に報告し、文民統制を覆そうとする陰謀が進行中であることを伝えます。そのために、大統領は信頼のおける側近たちを集め、秘密裏に調査を進めることになります。しかし、証拠集めは困難を極め、次々と予期しない出来事が彼らを襲います。クーデターの証拠を掴もうとするも、関与者が次々と命を落とし、ケイシーは窮地に追い込まれます。

スコット将軍は、ケイシーの動きに気づき、緊急動員計画を前倒しで実施するよう命じます。しかし、軍の行動がレーダーに捕捉され、大統領に警告される事態に発展します。大統領は、スコットに辞任を迫るのですが、彼は頑なにこの要求を拒否します。状況がますます緊迫していく中、さらなる証拠が発掘され、世論は徐々に傾いていきます。

最後に、大統領は記者会見を行い、動かぬ証拠を前にしたスコットの追及が始まりますが、全ての計画は破綻の一歩手前に迫ります。この映画は、軍部の影響力や権力闘争をテーマにした重厚な政治ドラマとして、視聴者に深い印象を与える作品となっています。

キャスト

• - フレドリック・マーチ（ライマン大統領）
• - バート・ランカスター（スコット将軍）
• - カーク・ダグラス（ケイシー大佐）
• - エヴァ・ガードナー（エリノア）
• - フレドリック・マーチ（ライマン大統領）

また、本作は1994年に『アメリカが沈むとき』としてリメイクもされました。

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