五番目の刑事

『五番目の刑事』は、1969年10月2日から1970年3月26日まで、NET（現：テレビ朝日）系列で毎週木曜20時台に放送された、全25話の刑事ドラマです。舞台は東京・新宿にある東新宿署で、それまでの刑事ドラマとは一線を画す、ジーパンスタイルでジープを乗り回す“はみだし刑事”を主人公に据えた、当時としては非常に斬新な作品でした。

ストーリーの特徴

本作は、従来の刑事ドラマのイメージを覆し、主人公である原田康二刑事が、背広姿ではなくジーパンを着用し、ジープを駆って事件を解決していくという、型破りなスタイルが特徴です。この斬新な設定は、当時の若者文化を反映したもので、従来の刑事ドラマにはない新しい風を吹き込みました。また、舞台となる東新宿署の刑事たちの人間模様も描かれており、単なる事件解決だけでなく、それぞれのキャラクターの背景や心情にも焦点を当てたドラマとなっています。

音楽

音楽面では、渡辺宙明が担当し、その楽曲の一部は、後に『人造人間キカイダー』などの東映作品にも流用されました。特に、『キカイダー』のサウンドトラック・アルバムには、本作からの流用曲が収録されており、ファンにとっては見逃せないポイントです。しかし、本作のオリジナル・サウンドトラックは、マスターテープの所在が不明となっており、完全な形で復刻することが困難な状況です。現在、音源として存在するのは、『キカイダー』への流用テープと、選曲用コピーテープのみで、テーマ曲など一部の楽曲は、本編音声から収録されています。2016年3月30日にサウンドトラックアルバムが発売されましたが、上記のような状況から、完全なものではありません。

キャスト

東新宿署捜査係の刑事たち

原田康二刑事：原田芳雄
戦災孤児で孤児院出身。グレていた過去を持つが、上司となる山田に救われたことで刑事を志す。ジープを愛用。最終話で刑事を退職。
立花邦夫刑事：工藤堅太郎
エリート志向の刑事で、原田とは対等な関係。
牛山善吉刑事：[桑山正一]
野呂一平刑事：[殿山泰司]
庄田作造刑事：常田富士男
山田隆三部長刑事：中村竹弥

スタッフ

プロデューサー：勝田康三（NET）
音楽：渡辺宙明
演奏：スクリーン・ミュージック
選曲：石川孝
撮影：西山誠、相原義晴、藤本茂、猪熊雅太郎、藤井静
照明：嶋田宜代士、石垣敏雄、斉藤久、吉岡伝吉
録音：上出栄二郎、大家忠男、長井幹夫、織本道雄
美術：河村寅次郎、井上明
編集：伊吹勝雄、成島一城、松谷正雄、山口一喜
記録：安倍伸子、市村京子、石川和枝、白山和子、中川恭子
助監督：広田茂穂、稲垣信明、青木弘司、中津川勲、小笠原猛、小島裕重、三村道治
進行：穂鷹克夫、山本剛正、武居勝彦、沼尾和典、春日憲政、奈良場繁
装置：東和美術
現像：東映化学
協力：MEN'S SHOPカワノ新宿中央口店、日本水道協会
協賛：川治温泉柏屋ホテル、東武鉄道、藤久観光ホテル、グレートクラブ・ブルーリボン、伊東温泉菊家ホテル、ドン・ジュアン
擬斗：渡辺高光、J.F.A
制作：NET、東映

映像ソフト

東映ビデオから『五番目の刑事 傑作選DVD-BOX』として、全25話中から12話分が収録されたDVDが発売されています。全25話分のDVD、ブルーレイの発売はされていません。

再放送とネット配信

2018年には東映チャンネルで全話が再放送されました。また、2022年12月1日からYouTubeの「東映シアターオンライン」で、第1話と第2話が常時無料配信されています。

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