五相会議

五相会議について

五相会議とは、昭和時代の前期、日本において重要な政策を決定するために開催された会議のことを指します。この会議は、内閣総理大臣、陸軍大臣、海軍大臣、大蔵大臣、外務大臣という五人の閣僚によって構成され、国家の陸軍や海軍に関わる軍事行動について主に議論されました。財政や外交政策も重要な議題であったため、大蔵大臣と外務大臣も必ず参加していました。また、必要に応じて他の高官、例えば企画院の総裁なども出席することがありました。

歴史的背景と目的

五相会議が開催される背景には、時代の変革や国際情勢の変化があります。特に昭和の初め、日本は国内外での影響力を強化しようとしており、軍事的な圧力を高めていました。これに対応するため、五相会議はその名の通り、五人の閣僚が集まり、国家の防衛や外征に関する具体策を考える場として重要な役割を果たしました。この会議を通じて、国の政策が決定され、実行されるための基盤が形成されました。

主要議題と年表

五相会議は複数回開催され、その中で多くの重要な議題が話し合われました。以下に主な開催年月とその内容を示します。

• - 1933年10月3日: 初の五相会議が開催される。
• - 1936年8月7日: 大陸や南方への進出を含む『国策ノ基準』が決定された。この閣議決定は同年8月11日に行われた。
• - 1936年8月11日: 『第二次北支処理要綱』が決定されました。
• - 1937年7月11日: 陸相による提案、「威力の顕示」による「支那側の謝罪及保障確保」が合意され、同日内地三個師団を派兵することが決定された。これは当時の盧溝橋事件に関連しています。
• - 1938年6月10日: 五相会議が公式な国策の協議機関となることが決議されました。
• - 1938年7月: 防共協定の強化問題が議論され、ドイツと対ソの軍事同盟を結ぶ方針が決まりました。
• - 1938年12月6日: 『猶太人対策要綱』が定められ、その内容にはいわゆる河豚計画も関連しています。
• - 1939年1月23日: 三国同盟案において、日本、ドイツ、イタリアの相互武力援助の方針が決定され、ソ連を主な対象としつつ、状況によって第三国を絡める妥協案が承認されました。
• - 1939年3月22日: 「独伊両国が英米と戦争を始めた場合、日本は原則的に支持するが、当面及び近い将来には参戦が難しい」という結論が出されました。
• - 1941年10月12日: 近衛首相らが集まり、戦争の是非について協議しましたが、陸相は支那からの撤兵に強く反対したため、見解が分かれました。

このように、五相会議は日本の軍事戦略や外交政策において重要な役割を果たした機関であり、その決定は国家の運命に大きな影響を与えるものでした。会議の開催は、政策決定の透明性を高める目的でもありましたが、同時に時代の流れに合わせた迅速な判断が求められる場でもありました。

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