企画院

企画院について

概要

企画院は、戦前の日本における重要な政策立案において、内閣直属の機関としてその役割を果たしました。この機関は、物資の動員や重要な政策立案に関与し、国家総動員の実施をサポートしました。企画院が設立される前、内閣調査局がその前身として機能していました。内閣調査局は、1935年5月に設置され、内閣総理大臣直属の国策調査機関として、各省の官僚や陸軍・海軍の幹部が参加し、産業合理化や国家計画の具体化に貢献していました。

歴史的背景

内閣調査局の権限は、昭和6年に施行された「重要産業統制法」や五・一五事件、二・二六事件などの影響を受けて拡大し、陸軍内での統制派の力が強まる中で重要な役割を果たしました。その後、1937年5月に企画庁へと再編され、同年10月には内閣資源局と統合して企画院が誕生しました。これにより、企画院は国家総動員機関としての機能を担うことになりました。

組織体制

企画院は、総裁の下に次長や各部門に分かれた組織構成を持ちました。総裁と次長はそれぞれ親任官と勅任官として任命され、総裁官房や各種部門が機能しました。事務は複数の部に分かれ、物資動員や生産力拡充計画、人口政策など多岐にわたっていました。

経済統制の役割

企画院は、戦時下における日本の経済統制の要として、重要政策の企画立案や物資の動員を一本化して行う役割を果たし、国家総動員法（1938年施行）によってその権限は一層強化されました。特に、軍部よりも法や予算を正確に扱う官僚制度の強化が進み、実質的な権力は官僚側にあったとされます。

企画院事件とその後

企画院の活動の中で、特に昭和16年に起こった企画院事件は重要な出来事です。この事件では、岸信介と財界の小林一三が対立し、最終的には岸が商工次官を更迭される結果となりました。その後、1943年10月に企画院は廃止され、業務は他の省庁に移管されました。これにより、企画院の機能は分散し、新たな組織として綜合計画局が設立されましたが、戦後にはその役割や構成も段階的に変更されていきます。

戦後の展開

戦後、企画院に関連する組織は継続的に変化し、最終的には内閣調査局が設立され現代に至るまで影響を与え続けています。これにより、戦前の官僚制度や経済制度が戦後の日本においても継承され、発展していったことが見受けられます。

結論

企画院は、日本の戦前において非常に重要な役割を果たし、国家の経済統制や政策立案に大きな影響を与えました。内閣調査局への移行やその後の組織変更を通じて、国家の政策形成に関与し続けることとなります。戦後の経済官僚が生き残りを図る中で、企画院の存在は日本の官僚制度に深く根付いた重要な歴史的な要素であると言えます。

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