五領ヶ台貝塚

五領ヶ台貝塚は、神奈川県平塚市広川に位置し、金目川を望む標高約40メートルの舌状台地の緩斜面にあります。東西2つの貝塚から構成され、規模はそれほど大きくありません。

この貝塚からは、ダンベイキサゴ、ハマグリ、ウミニナといった貝類のほか、イルカ、クジラ、イノシシ、シカなどの獣類、マダイ、クロダイ、サメ、スズキなどの魚類が多数出土しています。特にイルカの出土が多いことから、当時の人々が漁撈活動に深く依存していたことがうかがえます。

また、土器、石器、骨角器なども豊富に出土しており、当時の生活様式を具体的に知ることができます。特に注目されるのは、縄文時代中期の勝坂式土器の母体となったとされる五領ヶ台式土器です。この土器は、この貝塚が標式遺跡としての高い価値を持つ理由の一つとなっています。

五領ヶ台貝塚は、1972年7月29日に国の史跡に指定され、現在もその保存と研究が進められています。この遺跡は、縄文時代の文化や生態系を理解する上で、非常に重要な役割を果たしています。

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