井上博司 (政治家)

井上博司 - 北海道函館市の市長

井上博司（いのうえ ひろし、1936年9月7日 - 2019年9月17日）は、日本の政治家であり、北海道函館市の市長を2期務めた人物です。彼は市政において数々の改革を推進し、その功績は地域社会に大きな影響を与えました。

経歴

井上は函館市で生まれ育ち、北海道函館西高等学校を卒業後、1955年に函館市役所に入庁しました。市役所では商工観光部、企画部、そして市民部の各部長を務めた後、助役に就任しました。1999年には、当時の市長であった木戸浦隆一氏が病気により辞職したことを受けて市長選挙に立候補し、当選を果たしました。その後、2003年には再選されましたが、2007年の選挙では元助役の西尾正範に敗れてしまいました。

彼の政治的貢献が認められ、2019年春には旭日小綬章を授与されました。残念ながら、同年9月に逝去し、彼の死没日をもって正六位に叙されました。

政策と成果

井上市長の政策の中でも特に注目されるのは、市営バスの函館バスへの移管です。これは、日本国内で初めての公営バスの民営化として知られ、全国的な公営バス事業の民営化のモデルケースとなりました。この改革により、函館市の公共交通は大きな転換期を迎え、市民の移動手段の利便性が向上しました。

また、彼は市職員数の適正化やまちづくりプロジェクトの実現にも尽力しました。これにより、効率的な行政運営と市民サービスの向上を目指しました。

実現しなかった施策

一方で、井上市長が提唱した「函館アクアコミュニティ構想」やその後の見直し版である「海の生態科学館構想」などは、未実現に終わる結果となりました。これらの構想は、函館市の地域活性化に寄与することが期待されていましたが、実際の実現には至りませんでした。

死去と評価

井上博司は、函館市の政治において重要な役割を果たしただけでなく、市民との信頼関係を築き上げた政治家でもありました。彼が行った数々の施策や政策は、今もなお函館市の発展に影響を及ぼしています。彼の遺産は、地域の歴史の一部として受け継がれ続けています。

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