井上清 (官僚)

井上清（いのうえ きよし）は、1885年1月6日に東京府東京市牛込区（現在の東京都新宿区）で、伊藤正誼の四男として生を受けました。その後、井上周富の養子となり、井上姓を名乗ることになります。

学歴としては、1909年に東京帝国大学法科大学政治科を卒業。同時に高等文官試験にも合格し、官僚としての道を歩み始めます。彼の最初の役職は、朝鮮総督府臨時土地調査局監査官でした。その後、忠清南道第二部長、咸鏡北道第一部長と、着実にキャリアを重ねていきます。

1920年代に入ると、井上清は財務局税務課長、咸鏡南道内務部長、京畿道内務部長といった要職を歴任しました。1929年からは朝鮮煙草元売捌株式会社専務取締役、後に同社長を務めるなど、経済界でもその手腕を発揮します。しかし、1931年には再び官界に戻り、京城府尹に任命されました。さらに1933年には逓信局長に就任しています。

1936年に官僚を退いた後は、南朝鮮水力電気株式会社社長、朝鮮電力株式会社専務取締役など、再び経済界で活躍しました。彼の没年は明らかになっていません。

井上清の経歴は、官僚としての能力だけでなく、経済界でもその手腕を発揮した多才な人物であったことを示しています。彼の足跡は、当時の朝鮮半島における日本の統治政策と、経済発展の一側面を映し出していると言えるでしょう。

参考文献

『輓近大日本拓殖史』日本行政学会、1934年。
日本官界情報社編『日本官界名鑑 昭和十二年版』日本官界情報社、1936年。
* 帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第14版』帝国秘密探偵社、1943年。

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