井出洋介名人の実戦麻雀

井出洋介名人の実戦麻雀

『井出洋介名人の実戦麻雀』は、1987年にカプコンから発売されたファミリーコンピュータ用の麻雀ゲームです。当時、麻雀競技団体である最高位戦Aリーグに所属していたプロ雀士、井出洋介氏が監修を務め、TVCMにも本人が出演しました。「勝てば実力、負ければベンキョー」というキャッチコピーが印象的です。1991年には続編である『井出洋介名人の実戦麻雀II』も発売されています。

ゲーム概要

本作には、「実戦麻雀」「リーグ戦」「実戦問題」の3つのゲームモードが搭載されています。

実戦麻雀

コンピューターと対戦するフリー対局モードです。細かいルール設定やローカル役の設定、BGMの選択が可能です。2人打ちの麻雀ゲームですが、得点計算は擬似的に4人打ち麻雀と同様に行われます。ロン和了の場合は通常の2人打ち麻雀と同じく、プレイヤーとCPUの間で得点計算が行われます。しかし、ツモ和了の場合は、プレイヤーとCPUの他に2家がいるものとして、4人打ちと同じ得点計算が行われます。

さらに、実戦麻雀モードでは以下の機能を使用できます。

キャンセル: 手牌を全て交換できます。
ドラフラッシュ: 手牌中にあるドラ牌上のアルファベットが点滅します。
ガールフレンド: 一局ごとに女の子が応援してくれます。

名人リーグ戦

勝ち抜き方式のリーグ戦モードです。プレイヤーはBリーグからスタートし、勝率1位になるとAリーグへ進めます。Aリーグで勝ち上がると、決勝戦で井出洋介氏と対戦し、勝利すればエンディングとなります。このモードでは、あらかじめルールが固定されており、BGMも「ムード音楽」に固定されています。

実戦問題

麻雀に関する問題を解くモードで、3つのカテゴリがあります。

必勝の一打: 麻雀雑誌などにある「何を切る？」形式の問題です。打牌選択後、正誤と井出洋介氏による解説文が表示されます。
これでバッチリ多メンチャン: 聴牌形が表示され、待ち牌を当てる問題です。複数の待ち牌がある場合は完全解答となります。
究極の点数計算問題: 和了形が表示され、上がり点を3択で選びます。回答後、正誤と正確な計算式が表示されます。

専用コントローラー

本作には、業務用麻雀ゲームのコントロールパネルを模した専用コントローラーが同梱されています。ゲームの全ての操作はこの専用コントローラーで行います。ファミコン本体に付属しているコントローラーでは操作できないため、専用コントローラーを破損・紛失したり、中古店などでソフトのみを購入した場合は、ゲームをプレイすることができなくなります。

その他

必ずプレイヤーが起家となる仕様であり、配牌に時間がかかるなど、スピード感に欠けるという指摘もあります。パッケージに描かれた井出洋介氏のイラストは、あきまん氏が担当しています。

MSX2版

1988年にはパック・イン・ビデオからMSX2版も発売されました。内容はファミコン版とほぼ同じですが、いくつかの違いがあります。

専用コントローラーは同梱されておらず、キーボードまたはジョイスティックで操作します。
実戦麻雀の「ガールフレンド」機能が削除されています。
名人リーグ戦が「名人決定戦」に名称変更され、BGMがメドレーに変更されています。
弥七をデザインした一筒のグラフィックが、通常のデザインに変更されています。

参考文献

* 井出洋介名人の実戦麻雀 取扱説明書

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