井川邦子

井川邦子（いがわ くにこ）

日本の女優、井川邦子（本名：野中 敏子）は、1923年10月15日に生まれ、2012年10月4日に88歳で逝去しました。一ツ橋家政女学校を卒業後、1940年に松竹へ入社し、芸名を河野敏子として映画『絹代の初恋』でデビューしました。

来歴

戦後、芸名を井川邦子と改め、木下惠介、小津安二郎など、日本映画史に名を残す巨匠たちの作品に数多く出演しました。特に木下惠介監督の作品には、『わが恋せし乙女』、『結婚』、『肖像』、『カルメン故郷に帰る』などに出演し、「木下学校の優等生」としてスターへの道を駆け上がりました。彼女の演技は、繊細で情感豊かであり、多くの観客を魅了しました。

1960年の映画『笛吹川』を最後に映画界から引退し、その後はテレビドラマに出演しましたが、1977年に女優業を完全に引退しました。引退後は、神奈川県鎌倉市で喫茶店を経営し、静かで穏やかな生活を送っていました。

主な出演作品

映画

絹代の初恋（1940年）
戸田家の兄妹（1941年）
歓呼の町（1944年）
わが恋せし乙女（1946年）
結婚（1947年）
肖像（1948年）
執行猶予（1950年）
初恋問答（1950年）
カルメン故郷に帰る（1951年）
麦秋（1951年）
あの丘超えて（1951年）
二十四の瞳（1954年）
喜びも悲しみも幾歳月（1957年）
笛吹川（1960年）

テレビドラマ

ぼうふら紳士（1960年 - 1961年、CX）
松本清張シリーズ・黒の組曲 第26話「濁った陽」（1962年、NHK）
木下恵介劇場 記念樹 第42話「風の音」（1967年、TBS）
すぐやる一家青春記（1977年、TBS）

井川邦子は、映画黄金期を支えた名女優として、今もなお多くの人々に記憶されています。彼女の出演作品は、日本の映画史における貴重な遺産であり、後世に語り継がれるでしょう。

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