井筒屋庄兵衛

井筒屋庄兵衛（いづつや しょうべえ）は、江戸時代に五代にわたって続いた書肆です。生没年は各代で明らかになっていない部分が多く、詳細な記録は限られています。

初代 井筒屋庄兵衛

初代（1621年（元和7年）- 1709年（元和9年）頃）は、重勝という名で知られています。彼は松永貞徳の門人であり、歳旦三つ物所として力を持っていました。そのため、貞門派の俳書を多く出版し、その普及に貢献しました。延宝期には談林派の俳書を、貞享・元禄期には蕉門派の俳書を多数出版するなど、時代の流れに合わせて様々な流派の俳書を手掛けました。

二代 井筒屋庄兵衛

二代目の庄兵衛（生没年未詳）は、重晴という名でした。彼の句は、1696年（元禄9年）の『初蝉』や宝永年間中の『大三物』に見ることができます。

三代 井筒屋庄兵衛

三代目の庄兵衛（生没年未詳）の俗称は不明です。元文から延享期にかけて、井筒屋宇兵衛重寛と共同で出版活動を行っていました。

四代 井筒屋庄兵衛

四代目（生年未詳 - 1760年（宝暦10年））は、寛治という名で、麦郷観という俳号を持っていました。彼は編著として『芭蕉句選拾遺』（1756年（宝暦6年））を出版しています。

五代 井筒屋庄兵衛

五代目の庄兵衛（生没年未詳）は、荘兵衛という名でした。

井筒屋の出版活動は、1808年（文化5年）に刊行された『俳諧七部集』が下限とされています。この書物は、井筒屋の長年にわたる出版活動の集大成とも言えるでしょう。

井筒屋庄兵衛は、江戸時代の俳諧文化の発展に大きく貢献した書肆であり、その出版活動は、当時の俳諧の流行や文化を知る上で貴重な資料となっています。

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