亡骸を…

黒夢のインディーズ時代の金字塔、1stフルアルバム『亡骸を…』。1993年6月11日に発売され、インディーズチャートで2ヶ月連続1位という快挙を達成しました。当時のインディーズシーンでは異例の、手売りと通信販売のみで5万枚以上、最終的には30万枚を超える驚異的なセールスを記録しました。

アルバム概要

初回限定盤10000枚はシリアルナンバー付きスリーブケース仕様で、そのうち3000枚には十字架が付属していました。当初の発売予定日は5月30日でしたが、実際には6月11日に発売されました。発売に先駆け、1993年6月2日から開催された『NEO UNDER TOUR II』の前半（青森・北海道）では、アンケートと引き換えに全曲収録されたカセットテープが配布されました。ただし、このテープのラベルにはプリントミスで「死骸を…」と表記されているものも存在します。

ブックレットに写っている女性は、当時黒夢と頻繁に対バンしていたGILLE' LOVESのボーカル、Lucifer Luscious Violenoueです。

収録曲について

『UNDER…』: ファンクラブの名前をタイトルにした楽曲で、インディーズからメジャーデビューの頃にかけては、アンコールやライブのラストを飾る定番曲として演奏されていました。

『十字架との戯れ』: ライブで非常に盛り上がりを見せる過激な楽曲です。歌詞の最後の部分は意図的に記載されていません。この曲は、後のライブアルバム『NEO UNDER』および『DEEP UNDER』にも収録されています。

* 『親愛なるDEATH MASK』: 前作のアルバム『生きていた中絶児』に収録されていた楽曲の再録バージョンです。より洗練されたサウンドで、楽曲の新たな魅力を引き出しています。

エピソード

清春の父親が初めて黒夢の楽曲に理解を示したのが、この『亡骸を…』でした。清春自身もこの出来事に深く感動したと語っています。また、清春のソロ5枚目のアルバム『FOREVER LOVE』の通常盤には、『PHANTOM LOVER』としてこのアルバムの収録曲がセルフカバーされています。これは、『亡骸を…』が清春にとって非常に重要な作品であることを物語っています。

『亡骸を…』は、黒夢の初期衝動と独特の世界観が凝縮された、まさに伝説的なアルバムです。インディーズシーンに大きな足跡を残し、後のヴィジュアル系バンドに多大な影響を与えました。その音楽性は、過激でありながらも美しく、聴く者の心を深く掴みます。現在でも多くのファンに愛され続けている、不朽の名盤と言えるでしょう。

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