交告弘利

交告 弘利のプロ野球人生

交告 弘利（こうけつ ひろとし）は、1946年8月20日に岐阜県中津川市で生まれた元プロ野球選手で、主に投手として活動しました。彼は岐阜短期大学付属岐阜高等学校（現・岐阜第一高等学校）を中退し、1963年に阪神タイガースに入団しました。その背後には、強いスカウトの眼力がありました。

若き日の阪神入団

交告は、高校2年の時に阪神タイガースからスカウトされ、教育を受けることなくプロの世界に飛び込む決断をしました。入団した翌年の1964年には投手として登録となりますが、当時の阪神の投手コーチ、杉下茂に期待されるも、身体の硬さから思うようなパフォーマンスを発揮できそびれることが多かったのです。彼の投球スタイルは、スリークォーターよりも少し低い位置から繰り出され、球の力強さや切れは欠けていました。

プロ初登板からの苦悩

交告のプロ初登板は1965年10月5日の巨人戦で、初先発は同年10月25日の広島戦でしたが、いずれも思うような結果が得られず、敗戦投手となってしまいます。この年、阪神は慢性的に左投手不足に悩んでおり、交告もその期待に応えるべく登板を重ねますが、実力的には厳しい状況でした。1965年には一度、一塁手として先発出場することもありました。

軌道を変える1967年

1967年、交告は10月15日に行われたサンケイ戦で先発しましたが、その後に打たれ、再び敗戦投手となります。この失敗が影響し、1968年にはまったく出場機会がなくなり、その年の暮れに自由契約となってしまったのです。

グローバルリーグでの最後の挑戦

1969年には「東京ドラゴンズ」というグローバルリーグに参戦しましたが、資金難からわずか1年でリーグが解散し、交告はその年を持って現役を引退しました。彼は江夏豊の入団によってポジションが狭められましたが、江夏とは良い友人関係にあり、共に花札を楽しむ場面もあったと語られています。

投球スタイルと成績

交告はドロップやシュートを武器としていましたが、制球難に苦しんでいたことが彼のキャリアに影を落としました。プロ通算成績は今ひとつで、特に安定性を欠いていたことが惜しまれます。彼の背番号は変動もあり、入団当初の69番や、その後の58番、さらに35番をつけていたことが記録に残っています。

交告弘利は、プロ野球界での厳しい現実と戦いながらも、仲間との思い出と共に歩んだ選手であったと言えるでしょう。

もう一度検索