交響曲第19番 (モーツァルト)
交響曲第19番 変ホ長調 K. 132
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって作曲された「交響曲第19番 変ホ長調 K. 132」は、1772年の7月にザルツブルクで制作されました。この作品は、先行する第18番ヘ長調 K. 130の後を受けており、オーボエとホルンのパートが特色となっています。特に、オーボエが2本、ホルンが4本用いられており、管楽器の使い方においてより豊かな響きを生み出しています。これにより作品全体の音楽的な厚みが増していることが感じられます。
モーツァルトは興味深くも第2楽章の異稿を残しており、このバージョンは特にザルツブルクの宗教行事に捧げられるために作曲されたと考えられています。楽器編成はオーボエ2本、ホルン4本、そして弦楽器で構成されており、これが作品の多様な音響効果を生み出す要素となっています。
構成
この交響曲は全4楽章から成っており、演奏時間は約24分です。各楽章の特徴を以下に示します。
第1楽章 アレグロ
冒頭の主題は、後に作曲されるピアノ協奏曲第22番やその他の作品とも関連がある主題です。この楽章は活力に満ち、聴衆を引きつける力を持っています。
第2楽章 アンダンテ（異稿ではアンダンティーノ・グラツィーソ）
この楽章は、当時の緩徐楽章としては非常に長く、全151小節に及び、演奏時間は約10分に達します。冒頭部分の旋律は、グレゴリオ聖歌「クレド」の一部を引用しており、後半にはドイツのクリスマスキャロル「Joseph, lieber, Joseph mein」のメロディも組み込まれています。非常に感情的で深い内容が特徴の楽章です。
第3楽章 メヌエット - トリオ
この楽章は、流れるようなリズムと優雅さが特徴で、メヌエットの典型的なスタイルを踏襲しています。
第4楽章 アレグロ
最後の楽章は明るく活気に満ちており、全体の締めくくりとしてふさわしい印象を与えます。ロンド形式ならではの繰り返しが聴衆を楽しませます。
モーツァルトの交響曲第19番は、彼の作品の中でも特に魅力的で多様性に富む一曲です。音楽的な豊かさと構成の巧妙さが際立ち、聴く者を惹きつけてやみません。さらに、この交響曲の楽譜は、国際楽譜ライブラリープロジェクトを通じて入手可能です。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。