交響詩岩見沢

交響詩岩見沢について

『交響詩岩見沢』（こうきょうし いわみざわ）は、1973年に北海道岩見沢市の設立90周年と市制30周年を記念して創作された合唱組曲です。作詞は加藤愛夫、作曲は川越守によって行われ、岩見沢の過去と未来を色濃く反映しています。この作品は、地域の人々が共同で作り上げたものであり、合唱の形式で披露されています。特に、岩見沢市の歴史や文化を大切にしながら、地域への愛を込めています。

構成

『交響詩岩見沢』は、以下の4つのパートから構成されています。
1. 序章「コタン」
- 大雪山から流れ出る石狩川の美しい風景を描写し、開拓前の自然とアイヌの暮らしを想起させます。

2. 第1章「村の誕生」
- 新たな土地への移住者たちの苦労や喜びが描かれ、移民による新たな村の形成が表現されています。

3. 第2章「故郷の栄光」
- 開拓者たちの努力が結実し、発展する現代の岩見沢を描いており、故郷への愛情が感じられます。

4. 第3章「北国の象徴」
- 厳しい冬に耐える子供たちの成長と希望を福寿草に例え、未来に向けた期待を歌います。

初演とその後

この作品は1973年に作詞が始まり、同年8月には開基90年・市制30年の記念式典で最初に朗読形式で披露されました。その後、1974年に行われた初演では、約300人からなる合唱団によって演奏されました。この合唱団は市民が参加し、地域の連携を象徴しています。

演奏の録音は翌年、ビクターレーベルからレコード化され、加藤氏による朗読も収められました。この後も10年ごとに記念の式典で演奏が行われており、地域の文化イベントでも広く親しまれてきました。

普及活動と現在の状況

1977年には、「交響詩岩見沢の会」が発足し、合唱を通じて作品の普及に努めました。この活動は長年にわたり続けられ、合唱団は多くの市民に親しまれましたが、2019年に解散を余儀なくされました。

2011年には新たに岩見沢大合唱団「結」が設立され、再び市民による活動が始まりました。ここでの活動もまた地域との絆を深め、2013年には札幌交響楽団の伴奏で新たに披露されました。

さらに、2023年にはこの作品をもとにした絵本『いわみざわの詩』が出版され、若い世代への普及を目指しています。様々な施設に配本されることで、地域の歴史や文化が次世代に受け継がれています。

このように『交響詩岩見沢』は、単なる音楽作品にとどまらず、地域住民の思いを鑑みた記念碑的存在となっており、未来に向けた希望の象徴でもあります。

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