川越守

川越守 - 北海道出身の作曲家

川越守（かわごえ まもる、1932年8月5日 - 2017年12月9日）は、日本の音楽界において重要な役割を果たした作曲家、指揮者です。彼は北海道を中心に活動し、地域の演奏団体や劇団のために100曲以上を作曲しました。

人物・来歴

川越は北海道で生まれ、1952年に北海道大学に入学したことを契機に音楽の道を歩み始めます。大学では北海道大学交響楽団に参加し、1955年にはその常任指揮者に就任。その後、1956年には教育学部音楽専攻を卒業し、1987年まで北海道学芸大学（現・北海道教育大学札幌校）で非常勤講師を務めました。

1960年からは本格的に作曲活動を開始し、彼の代表作には「北海の幻想」「市民の歌」（札幌市市歌）、「交響詩“サッポロ”」などが含まれます。1970年からは札幌大谷短期大学と1983年からは北海道教育大学岩見沢校でも教育に携わりながら、音楽の普及に努めました。

1980年には北海道交響楽団を設立し、その団長及び常任指揮者に就任。彼は音楽教育と演奏活動を通じて、北海道の音楽シーンを盛り上げることに貢献しました。1988年からは北海道栄養短期大学（現在の北海道文教大学短期大学部）の教授となり、2001年から2003年にはその副学長を務めました。

彼の活動は多岐にわたり、特にプロフェッショナルな演奏団体への作品提供や教育の場での指導には力を注いでいました。2017年には、肺癌を患いながらも、作曲した祝典序曲「エルムの鐘」のCD化のために最後の指揮を行い、その後多くの人々に惜しまれながら85歳で他界しました。

主な作品

川越守が手掛けた多くの作品の中でも、特に評価されているものには次のような楽曲があります。

• - 都ぞ弥生（1955年編曲）: 北海道大学のテーマ曲として知られ、必ず演奏される名曲です。
• - 祝典序曲 エルムの鐘（1960年作曲）: 北海道大学の竣工記念式典のための楽曲で、重要なメロディが含まれています。
• - 市民の歌（1964年作曲）: 札幌市の市歌として市民に親しまれています。
• - 北海の幻想（1965年作曲）: 管弦楽作品で、時に激しく、時に柔らかく北海の風景を表現しています。
• - 道民体操（1978年作曲）: 北海道全体の健康増進を目的とした体操の楽曲です。

彼の作品は今でも頻繁に演奏され、多くの人々に親しまれています。

賞歴

川越守は数々の賞を受賞しており、1971年に北海道芸術新賞、1984年に札幌市民文化奨励賞、1986年に北海道文化奨励賞、そして2008年には札幌芸術賞を受賞しました。これらの賞は彼の音楽活動の成果を讃えるものであり、彼が地域文化に与えた影響の大きさを示しています。

川越守の音楽は、彼が生涯を通じて愛し、育んできた北海道の文化とともに生き続けています。

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