札幌交響楽団

札幌交響楽団

札幌交響楽団（さっぽろこうきょうがくだん）は、北海道札幌市に本拠を置く、日本を代表するプロオーケストラの一つです。通称「札響（さっきょう）」として親しまれ、日本オーケストラ連盟の正会員でもあります。北海道唯一のプロオーケストラとして、地域に根差した活動を続け、国内外で高い評価を得ています。

概要

札響は、1961年に札幌市民交響楽団として発足し、翌年には財団法人札幌交響楽団となりました。1997年からは、札幌コンサートホールKitaraを本拠地とし、定期演奏会を開催しています。事務局も同ホール内に置かれています。練習場は札幌芸術の森アートホール内です。2018年に開場した札幌文化芸術劇場hitaruでは、hitaruシリーズ定期演奏会を開催し、オペラやバレエ公演にも出演しています。また、北海道内各地や東京でも演奏会を開催し、幅広い聴衆に音楽を届けています。

歴史

札響は、数々の困難を乗り越えながら、常に音楽の質を追求し、進化を続けてきました。

1961年：札幌市民交響楽団として発足。
1962年：財団法人札幌交響楽団となる。
1973年：北海道新聞文化賞を受賞。
1975年：アメリカ、西ドイツ公演を成功させる。
1980年：北海道文化賞を受賞。
1983年：モービル音楽賞を受賞。
1989年：東京公演の定期開催を開始。
1996年：札響名曲シリーズを開始。
2001年：創立40周年記念英国公演を実施。
2002年：経営危機を乗り越え、再建と改革に取り組む。
2005年：定期演奏会を2公演化し、韓国公演も開催。
2007年：第500回定期演奏会を開催。
2009年：公益財団法人として認定される。
2011年：創立50周年記念欧州公演（独、伊、英）を実施。
2015年：台湾公演を成功させ、北海道内179全市町村での公演を達成。
2020年：hitaruシリーズ定期演奏会を開始。
2025年4月：エリアス・グランディが次期首席指揮者に就任予定。

指揮者

札響は、多くの著名な指揮者と共演し、音楽の幅を広げてきました。歴代の指揮者には、以下のような人々がいます。

荒谷正雄（初代常任指揮者）
ペーター・シュヴァルツ（常任指揮者）
岩城宏之（音楽監督）
秋山和慶（首席指揮者）
尾高忠明（音楽監督）
ラドミル・エリシュカ（首席客演指揮者）
マックス・ポンマー（首席指揮者）
マティアス・バーメルト（首席指揮者）

主要な指揮者

荒谷正雄:（常任指揮者 1961年 - 1968年）＜名誉創立指揮者＞
岩城宏之:（正指揮者 1975年 - 1978年、音楽監督・正指揮者 1978年 - 1981年、音楽監督 1981年 - 1988年、桂冠指揮者 1988年 - 2006年）
秋山和慶:（首席客演指揮者 1986年 - 1988年、ミュージックアドバイザー・首席指揮者 1988年 - 1998年）
尾高忠明:（正指揮者 1981年 - 1986年、ミュージックアドバイザー・常任指揮者 1998年 - 2004年、音楽監督 2004年 - 2015年、名誉音楽監督 2015年 - ）
ラドミル・エリシュカ:（首席客演指揮者 2008年 - 2015年、名誉指揮者 2015年 - 2019年)
マックス・ポンマー:（首席指揮者 2015年 - 2018年）
マティアス・バーメルト:（首席指揮者 2018年 - 2024年）
エリアス・グランディ:（次期首席指揮者 2025年4月～）

コンサートマスター

歴代のコンサートマスターには、以下のような人々がいます。

岩本敬一郎（1961年 - 1966年）
佐々木一樹（1966年 - 1977年）
ルイ・グレーラー（1977年 - 1981年）
水谷正志（1981年 - 1986年）
市川映子（1981年 - 1985年）
マイケル・キシン（首席1986年 - 1988年）
深山尚久（首席1988年 - 1992年）
グレブ・ニキティン（1993年 - 2000年）
大平まゆみ（1998年 - 2019年）
伊藤亮太郎（2005年 - 2015年）
田島高宏（2001年 - 2004年,2014年 - ）
会田莉凡（2022年 - ）

演奏会

札響は、年間120回前後の演奏会を開催し、幅広い層の音楽ファンに親しまれています。

定期演奏会

札幌コンサートホールKitara大ホールで、年間8プログラム、各回2回公演（土曜夕と日曜午後）で開催されます。

hitaruシリーズ定期演奏会

札幌文化芸術劇場hitaruで、年間4回開催されます。定番名曲と現代作品を組み合わせたプログラムが特徴です。

札響名曲シリーズ

札幌コンサートホールKitara大ホールで、年間4回開催されます。

特別演奏会

「第9演奏会」や「ニューイヤーコンサート」、道内地方都市での演奏会が開催されます。

オペラ、バレエ公演

主に札幌文化芸術劇場hitaruで開催されます。

東京公演

1989年から年1回、定期的に開催されています。

その他

ほくでんファミリーコンサート、PMF（パシフィック・ミュージック・フェスティバル）での公演、ジルベスター・コンサート、シンフォニック・ブラス、ポップス・コンサート、文化庁主催巡回公演など、様々な形態の演奏会を行っています。

年譜

札響の歴史を彩る、主な出来事を年譜形式でご紹介します。

1961年-1998年

1962年：芸術祭三市交響楽団特別演奏会を、群馬交響楽団、京都市交響楽団と共催。
1973年：北電ファミリーコンサートを開始。
1976年：オール武満徹プログラムによる定期演奏会を開催し、全国放送で大きな注目を集める。
1978年：北海道庁赤レンガ庁舎前での野外コンサート「グリーンコンサート」が定着。
1985年：黒澤明監督の映画「乱」の音楽を録音。
1989年：山田一雄指揮によるベートーヴェン・シリーズを開始。
1990年：PMF（パシフィック・ミュージック・フェスティバル）にレギュラー・オーケストラとして参加。
1997年：本拠地となる札幌コンサートホールKitaraが完成。

1998年-2015年

2006年：ラドミル・エリシュカが定期演奏会に初登場し、大好評を博す。
2008年：音楽監督尾高忠明の指揮で、ブリテンのオペラ「ピーター・グライムズ」を演奏会形式で上演。
2010年：事務局による不祥事が発覚。
2011年-2012年：音楽監督尾高忠明の指揮でベートーヴェンの交響曲全曲演奏を行い、CDを発売。
2013年-2015年：音楽監督尾高忠明の指揮でシベリウスの交響曲全曲演奏を行い、CDを発売。

2015年-

2017年：首席指揮者マックス・ポンマーとのバッハの管弦楽組曲（全曲）やモーツァルトの後期三大交響曲などの演奏が好評。
2017年：名誉指揮者ラドミル・エリシュカが最後の来日公演を行い、リムスキー＝コルサコフの「シェヘラザード」を演奏。
2018年：札幌文化芸術劇場hitaruのこけら落とし公演でオペラ「アイーダ」を演奏。
2021年：コロナ禍の中、首席指揮者マティアス・バーメルト指揮による60周年記念定期演奏会を開催。

合唱団・ファンクラブ

札響合唱団：札幌交響楽団専属の合唱団（2006年創設）。
札響くらぶ：札幌交響楽団公認のファンクラブ（1996年設立）。

関連事項

日本オーケストラ連盟
札仙広福#オーケストラ
PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)
ほくでんファミリーコンサート
映画「乱」

外部リンク

札幌交響楽団 Sapporo Symphony Orchestra-「札響」 - 公式ウェブサイト
札幌交響楽団 (@sapporosymphony) - X（旧Twitter）公式
札幌交響楽団 (sapporosymphonyorchestra) - Facebook 公式
札幌交響楽団 (@sapporo_symphony) - Instagram 公式
札幌交響楽団 Sapporo Symphony Orchstra - YouTube Channel 公式
札響合唱団 - 札響専属合唱団
札響くらぶ - 札響公認ファンクラブ
札幌コンサートホール Kitara - 札響本拠地（定期演奏会会場）
札幌文化芸術劇場 hitaru
PMF（パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌）
日本オーケストラ連盟
ELIAS GRANDY(Union Media) - エリアス・グランディ（札響次期首席指揮者）

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