京元線

京元線の概要

京元線（キョンウォンせん）は韓国のソウル特別市に位置する龍山駅から、江原特別自治道の白馬高地駅までを結ぶ鉄道路線です。この路線は、大韓民国の鉄道公社（KORAIL）が運営しており、正式な路線名は京元本線とされています。元は、ソウルと朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）にある元山市を結ぶ路線でしたが、国家の分断によって現在は南北に分かれています。北朝鮮側の路線は江原線となりました。

路線データ

• - 路線距離: 94.3 km
• - 軌間: 1435mm（標準軌）
• - 駅数: 36（始終点含む）
• - 複線区間: 龍山駅 - 東豆川駅（53.1 km）
• - 電化区間: 龍山駅 - 漣川駅（73.3 km、交流25kV, 60Hz）

運行概要

1942年10月の改正時点では以下のような列車本数が設定されていました：

• - 京城（現・ソウル） - 元山間の直通列車: 急行2往復、普通4往復
• - 京城 - 福渓間の区間列車: 普通2往復半
• - 福渓 - 元山間の区間列車: 普通1本

所要時間は、急行で4時間40分から5時間15分、普通は6時間20分から7時間50分とされていました。

歴史

分断前

京元線は元々、日本統治時代に建設された路線で、1910年に着工し、1914年にはソウルと元山間が開業しました。この路線は、朝鮮半島の脊梁ともなる太白山脈を越える部分に急勾配を含むため建設には多大な労力が必要でした。後に、満州へのアクセスを提供するために元山-会寧間の咸鏡線とも連結され、さらには軍事輸送の重要性も増しました。歴史の流れの中で、1944年に直流電化が実施され、電気機関車も導入されました。

1945年の日本の敗戦後、朝鮮半島は北緯38度線で南北に分断され、京元線もその影響を受けました。朝鮮戦争の勃発によって境界も変わり、韓国側では新炭里駅まで営業を継続しました。

分断後

北朝鮮では、京元線の北部が江原線として残りましたが、韓国側ではソウル近郊の通勤路線として利用され続けています。1974年には一部電化が完了し、さらにはソウル地下鉄1号線との接続が開始されました。その後も電化や複線化が進められ、現在では龍山から漣川までの広域電鉄としての運行が行われています。

2012年には新炭里と白馬高地間が開業し、2014年には平和列車（DMZ-train）が運行開始されましたが、2023年にはその運行が終了しました。2025年には再び一般列車の運行再開が予定されているものの、運営費の問題から再開時期は未定です。

駅の概要

京元線は、運行の利便性を高めるために様々な駅を経由しています。主要な駅の一部は、首都圏電鉄1号線や京義・中央線との接続も果たしています。

結論

京元線は、南北分断の苦難の歴史を背負いながらも、現在では重要な通勤路線としてその役割を果たしています。その背景にある歴史や現在の運行形態について、興味を持って知識を深めることは、韓国の鉄道史を理解する上で非常に意義深いことです。

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