京城医学専門学校

京城医学専門学校について

京城医学専門学校、略称「京城医専」は、1916年に日本の統治下にあった朝鮮半島で設立された医療専門教育機関です。この学校は、医師や看護師などの専門職を育成するためのものであり、次第に医療の質の向上に寄与してきました。学校の設立背景には、大韓帝国の政府による医療教育の必要性があり、1889年に設立された「京城医学校」がその前身となっています。

歴史的な背景

京城医学校は、政府の資金によって設立され、最初の校長には池錫永が選ばれました。当初は教官が2名と書記が1名と少人数でスタートし、その後徐々に規模を拡大した。1902年には第1回卒業生が誕生し、その後も多くの卒業生を輩出しました。特に、1907年には大韓医学校と大韓赤十字病院が統合され、新たに「大韓医院」が設立されました。

韓国併合とその後

1910年に韓国併合が行われると、京城医学校も「朝鮮総督府医院附属医学講習所」に改称され、その後の教育方針や内容が改訂されていきました。この時期、教育が日本語で行われるようになり、学問の質が一層重視されるようになりました。その後、医科、助産婦科、看護婦科が設置され、医師免許が付与される体制が整いました。

京城医学専門学校の設立

1916年には、勅令により「京城医学専門学校」として正式に設立されました。教育内容や包括的な規範が定められ、国家に貢献できる医師を育成することが目標とされました。この頃、内地学生の割合が3分の1に規定され、社会全体に影響を与える重要な役割を担うようになりました。

学校の教育内容

国立高校や医療へ進むための学問的基盤を築くことが強調され、知識の習得だけでなく、医療従事者としての倫理や責任感も教育されました。特に、患者に対する親切や高い倫理観が求められるようになり、生徒は医師としての品性や自覚を持つことが期待されるようになりました。

日本統治の終焉とその後

1945年、日本の敗戦に伴い、京城医学専門学校は事実上の閉校となり、その後は韓国人によって「ソウル医学専門学校」として再開されました。この変遷を経て、1946年には国立ソウル大学の医科大学として位置づけられることとなりました。

校章と校歌

京城医学専門学校の校章は、「Medicine」の頭文字「M」を金色の背景に載せ、その上に旧字体の「醫」を金色で表現し、羽ばたく鳩の絵が描かれています。校歌は1922年に制定されましたが、作詞者や作曲者の詳細は不明です。

歴代校長

学校の歴史に名を残す校長たちには、池錫永、佐藤進、菊池常三郎、藤田嗣章などがいます。特に、朝鮮総督府医院の初代医院長だった藤田嗣章は医療教育において非常に重要な役割を果たしました。

結論

京城医学専門学校は、朝鮮半島における医学教育の発展に多大な貢献をし、医師教育の基盤を築いた機関として歴史に名を刻みました。教育理念は時代の変遷を超えて今でも評価されています。

もう一度検索