京城日報

京城日報について

概要

京城日報（けいじょうにっぽう）は、朝鮮語で「경성일보」と表記される、大韓帝国末期から日本の支配下にあった朝鮮で発行された新聞です。この新聞は1906年9月に創刊され、当初は漢城新報と大東新報を合併して設立されました。この設立には当時の韓国統監である伊藤博文が関与しており、彼がこの新聞を機関紙として位置づけたことから、その影響力は計り知れません。

最初は国漢文と日本語の両方の版が発行されていましたが、1907年4月からは国漢文版が廃止され、日本語版のみが流通するようになりました。この変化は日本の影響力を反映しており、朝鮮の情報を日本側の立場から提供する方針が明確に表れていました。1910年には日韓併合があり、これ以降は朝鮮総督府の機関紙としての役割を強化していきます。

京城日報は、総督府が経営を引き継いだ新聞「大韓毎日申報」が「毎日新報」と改編された後、姉妹紙として位置づけられました。1910年から1918年の間、寺内正毅や長谷川好道といった総督が就任していた時代において、東京の国民新聞社社主である徳富蘇峰が監督を務めるなど、政策の指導の下で運営されていました。終戦を迎える1945年10月には廃刊に追い込まれ、その歴史に幕を下ろします。

論調

京城日報は親日的な立場からの記事を多く発表しており、これは統監府および総督府の機関紙であったため、自然の成り行きとも言えます。社長や運営に関しても総督府の影響が大きく、新聞の内容は政府の意向に沿ったものが多かったと考えられます。このため、当時の他の民間紙、たとえば朝鮮日報や東亜日報と比較しても、ウェイトや影響力は非常に大きなものでした。

特に日本の統治時代、親日派とされる多くの人物が京城日報を購読していたという分析もあり、こうした背景から、この新聞は特定の社会層において重要な情報源として機能していたことがわかります。

参考文献

• - 柴崎力栄「徳富蘇峰と京城日報」『日本歴史』425、1983年10月
• - 朴仁植「朝鮮植民地統治の変容と展開---総督府の言論政策を中心に」(Ⅰ)『政治経済史学』452、2004年4月 (Ⅱ)453、2004年5月 (Ⅲ)454、2004年6月
• - 李錬「朝鮮総督府の機関紙『京城日報』の創刊背景とその役割について」『メディア史研究』21、2006年12月

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