京城日本人世話会罹災民救済病院

京城日本人世話会罹災民救済病院の概要

京城日本人世話会罹災民救済病院は、日本の第二次世界大戦終了後の1945年10月1日に、当時の朝鮮京畿道京城府中区旭町、現在のソウルの特別市中区会賢洞に設立されました。この病院は、日本人の避難民を救済するための施設であり、特殊な歴史的背景を持っています。

設立背景

終戦直後、多くの日本人が韓国に集まってきました。主な理由は、ソ連軍や朝鮮人による略奪、さらには生命の危機に対する恐怖でした。彼らは満州や北部朝鮮から、38度線を越えて南側の安全な地域へと避難しました。この南部地域は、アメリカ軍の占領下にあったため、安全が保障されていると認識されていました。しかし、次第に避難民の状況が厳しくなり、医療を必要とする人々が急増しました。

この危機的な状況を打破するために、京城帝国大学医学部の有志たちが立ち上がり、避難民の診療業務に従事しました。そして、彼らの活動を支えるため、京城日本人世話会が設立され、その附属施設として罹災民救済病院が設立される運びとなったのです。

開院後の状況

1945年10月1日の開院直後から、病院は多くの日本人患者の治療に草創しました。しかし、患者数が想像以上に増大し、病院のスペースは限界に達しました。そのため、近隣の建物にも診療科を設け、さらには38度線周辺にも仮設診療所を開設することで、より多くの避難民を受け入れる努力がされました。

開院から2か月の間に、延べ50,000人以上の患者がこの病院で診療を受けたとの記録があります。これは戦後の混乱期において、医療ニーズがどれほど高かったかを物語っています。

しかし、1945年12月にはアメリカ軍政庁からの命令により、主要メンバーが病院を引き揚げることとなりました。これに伴い、病院の運営は困難を極めましたが、1946年2月2日には在外同胞援護会救療部へと引き継がれ、その活動は続けられました。

結論

京城日本人世話会罹災民救済病院は、その短い間に多くの日本人を救済し、戦後の混乱期において重要な役割を果たしました。病院が閉院するまでの間、多くの患者を受け入れた業績は今でも賛美されています。歴史的な事実がこの病院の存在を語り継ぎ、その意義は今後も忘れられることはないでしょう。

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