京成モニ10形電車

京成モニ10形電車

京成モニ10形電車は、かつて京成電鉄で使用されていた電動貨車です。1968年（昭和43年）に2両（モニ11、モニ12）が大栄車輌で製造されました。

概要

モニ10形は、バラスト散布を主目的とした電動ホッパ車として導入されました。車体色はJRの配給車に準じた青色で、前面には黄色の警戒帯が設けられています。走行機器は210形電車の更新時に発生した余剰品を流用しており、吊り掛け駆動方式を採用していました。制動装置は当初、元空気ダメ管付自動空気ブレーキでしたが、1991年（平成3年）2月に電磁直通ブレーキ（HSC）に改造されています。

主にリキ100形貨車と連結した4両編成で運用され、バラスト散布輸送に活躍しました。しかし、老朽化に伴い、リキ100形とともに2000年（平成12年）に廃車されました。晩年は宗吾車両基地に常駐していました。

車体

車体は片運転台構造で、上野寄りがモニ12、成田寄りがモニ11と番号が分かれています。運転室の後ろには作業員用の控室があり、その上にはパンタグラフとIR無線アンテナが設置されていました。この構造はモニ20形に類似していますが、全長はモニ20形より850mm短い17,150mmです。そのため、控室の広さはモニ20形に比べてやや狭くなっています。

控室の後ろは荷台となっており、バラスト散布に適した構造を備えています。荷台には作業用のライトとホッパー操作用のハンドルが装備されていますが、控室と荷台の間は通り抜けできません。荷台部分の荷重は15tで、リキ100形より10t少なくなっています。自重はモニ20形と同じ33tです。

台車は、当初210形由来のUD-16を使用していましたが、1980年（昭和55年）に廃車された510形のFS-28に交換されました。さらに1989年（平成元年）には、新京成220形の3H-67に換装されています。

主な用途

登場当初は2両編成で運用されていましたが、1971年（昭和46年）にリキ100形が登場してからは、ほぼ同車と4両編成を組んでバラスト散布を中心に使用されました。トキ20形貨車が少数だった時代には、同形式と連結することもありました。

モニ20形が多目的に使用できたのに対し、モニ10形は用途が限られていたこと、走行機器の老朽化が進んでいたことから、2000年に廃車されました。

もう一度検索