京成3200形電車 (2代)

京成3200形電車

京成3200形電車は、2025年（令和7年）に登場した京成電鉄の最新通勤形電車です。2019年導入の3100形に続き、「京成グループ標準車両」として設計・製造され、「人と環境にやさしいフレキシブルな車両」をコンセプトに、コロナ禍やインバウンド需要の変化に対応できる柔軟な運用を目指して開発されました。

2025年2月22日に最初の編成が営業運転を開始し、京成電鉄の新たな輸送を担っています。

車両概説

特筆すべきは、1972年登場の3500形以来、実に53年ぶりとなる組成組み換えが可能な車両である点です。2両単位での組成変更を可能としたことで、輸送需要に応じた柔軟な編成を組むことができます。

車体

車体は、3000形や3100形と同様に、軽量ステンレス製の18m級車体を採用。これは「日車式ブロック工法」によるもので、軽量化と高い強度を両立しています。

車体帯は、京成電鉄の伝統色であるヒューマンレッドとフューチャーブルーの京成標準色ですが、3000形とは異なり、側面の青帯が車体上部に配置されているのが特徴です。

先頭車は、連結時に通り抜け可能な構造で、中央に貫通扉を配置した前面設計となっています。種別・行先表示器は、3100形と同様の大型フルカラーLED式を採用し、途中駅での種別変更表示にも対応しています。また、乗務員室の寸法が拡大された影響で、乗務員室後部には窓がありません。

室内設備

車内は、明るい白色の化粧板と青色に四角パターン柄の床材を採用し、全体的に明るい配色となっています。座席のモケットは、一般席が青基調、優先席が赤基調で、ソメイヨシノや菜の花といった京成線沿線地域をモチーフとしたデザインが施されています。袖仕切りは3100形と同形状のものが採用されています。

バリアフリーにも配慮されており、先頭車には車いすスペース、中間車にはフリースペースが設置されています。

各乗降扉の上には、17インチLCD（液晶）による車内案内表示器が2画面設置されており、1つが乗換案内や運行情報表示用、もう1つが広告表示用として活用されます。

セキュリティ面も強化されており、防犯カメラが1両につき3台設置されています。非常通話装置と連動し、車内の状況を確認できる機能は、京成電鉄として初の採用です。

主要機器

制御装置は、京成伝統の東洋電機製造製で、3100形と同様のハイブリッドSiCモジュール適用IGBT素子VVVFインバータ制御装置をM1系車に搭載しています。補助電源装置は東芝インフラシステムズ製で、100kVAの装置をM2系車に搭載しています。

主電動機は、東洋電機製造製TDK-6071Aで、3100形と同一です。駆動方式はTD平行可とう歯車継手一段減速方式、歯車比は6.07で、こちらも3100形と同一です。

集電装置は、東洋電機製造製のシングルアームパンタグラフをM1系車に搭載しています。

制動装置は、全電気指令式の作用装置と受信装置を各車に搭載し、3100形までと異なりON-OFF弁方式となっています。雨天時にはワイパーの作動を検知し、先頭車の制動力を自動的に弱める機構も搭載されています。

台車は、電動台車がFS585M、付随台車がFS585Tで、車重増加に対応して3100形のFS583をベースに車軸径が太い物に変更されています。

運用

他社線への直通も可能な設計ですが、当面は京成本線を中心とした自社線内で運行される予定です。

参考文献

廣岡, 昌己「新車ガイド 京成3200形」『鉄道ファン』第65巻第4（通巻768）号、交友社、2025年4月1日、pp.46-50。

外部リンク

新型車両「３２００形」運転開始！ - 京成電鉄

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