京成33形電車

京成33形電車は、京成電鉄が1923年（大正12年）に製造した電車です。同時期に製造された39形（1925年）、45形（1927年）、そしてそれらを鋼体化改造した300形についても解説します。

33形・39形・45形

これらの車両は、京成電鉄が1923年から1927年にかけて雨宮製作所で製造した木造電車です。製造されたのはモハ33から48までの計16両。33形を基本として、製造時期や用途によって細部が異なっています。

33形: 1923年に製造されたグループで、33から38の6両が存在します。二重屋根と曲線的な前面が特徴で、側面窓上には明かり取り窓がありました。窓配置はD222D222D（D=ドア）で、定員は60名。台車は20形と同様のブリル27-MCB-2、制御器は英デッカー製を採用していました。
39形: 1925年に本線延長に備えて製造されたグループで、39から44の6両が存在します。車体寸法は33形と同一ですが、前面は平面的な形状となり、側面両端部には乗務員用の小窓が新設され、窓配置は1D222D222D1となりました。定員は84名。44号車は事故により破損し、後に45形と同様の丸屋根に改造されています。
* 45形: 1927年に千葉線の普通列車用として製造されたグループで、45から48の4両が存在します。車体の基本形状や窓配置は39形と同一ですが、屋根は丸屋根となり、側面窓上の明かり取り窓がなくなりました。台車は雨宮製H-2を採用しています。

運用と改造

1938年（昭和13年）には、33形全車と39形の40・43が日本車輌東京支店で車体を半鋼製車体に載せ替えられ、300形に改造されました。この際、43の車体は廃棄されず、別の車両に再利用されています。

戦中・戦後には、主電動機の不調から金町線や千葉線での運用が中心となりました。戦災や事故により廃車となる車両も出ましたが、残った車両は新京成電鉄に譲渡され、同社の主力車両として活躍しました。

新京成電鉄に譲渡された車両は、自動ドア化や放送装置の取り付けなどの改造を受け、塗装も変更されました。さらに、1963年（昭和38年）には半鋼製車体に載せ替えられ、性能向上も図られました。晩年は300形の中間に挟まれて使用され、1978年（昭和53年）に8000形に置き換えられて廃車となりました。

新京成時代には、扉の窓が十字になっていることから「キリスト電車」とも呼ばれていました。

300形

300形は、33形と39形を半鋼製車体に載せ替えた車両で、301から308の8両が改造されました。前面に貫通扉を設け、側面の窓配置は1D7D4（D=ドア）と左右非対称なのが特徴です。2扉車となっています。

戦後には45形と同様の理由で金町線や千葉線で運用され、1955年（昭和30年）に新京成電鉄に譲渡されました。

1966年（昭和41年）には再び車体を載せ替えられ、301から306と308は全鋼製車体となりましたが、307のみ汽車製造製のアルミ合金製車体が試験的に採用されました。45形と同様に14mの小型車であったため、1978年に8000形に置き換えられ廃車となりました。

300形の鋼製車体への載せ替えで余剰となった車体の一部は、津田沼第一工場の倉庫として使われていましたが、工場閉鎖とともに撤去されました。また、一部の台車はくぬぎ山車両基地で仮台車として使用されました。

京成33形電車とその系列は、大正時代から昭和時代にかけて、京成電鉄と新京成電鉄の発展に大きく貢献した車両です。

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