京王新線

京王新線とは

京王新線は、京王電鉄京王線の新宿駅と笹塚駅間を結ぶ、複々線区間の一部として建設された通称です。正式には京王線の一部ですが、路線案内や駅のアナウンスでは「新線」として区別されています。この路線は、京王線の輸送力増強と都営地下鉄新宿線との相互直通運転を目的として建設されました。

歴史

1978年10月31日に開業し、1980年3月16日からは都営新宿線との直通運転を開始しました。これは、新宿駅のターミナル駅としての改修が困難であったため、新たな地下路線を建設して対応したものです。建設は日本鉄道建設公団（現 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構）が主体となり、一部区間は首都高速道路公団（現・首都高速道路）が受託しました。

路線概要

京王新線は、ほぼ京王線と並行して国道20号（甲州街道）の地下を走っており、笹塚駅付近を除き地下路線となっています。途中には初台駅と幡ヶ谷駅があり、これらの駅は京王新線のみにホームが設けられています。京王線の始発・最終列車の一部は、新線新宿駅を発着します。また、東京競馬場開催時には、府中競馬正門前駅から新線新宿駅行きの急行も運行されます。

路線データ
路線距離: 3.6km
軌間: 1,372mm
複線区間: 全線
電化区間: 全線 (直流1,500V)
* 保安装置: 京王ATC

駅の構造

新線新宿駅は、国道20号の地下約30mの場所に位置し、京王線の他のホームよりも西側にあります。初台駅は上り線が地下2階、下り線が地下3階に、幡ヶ谷駅は地下2階にホームがあります。これらの駅は、京王線とは別の構造になっています。

運行形態

京王新線内は全ての列車が各駅に停車します。かつては新線内折り返しの列車も存在しましたが、現在は都営新宿線または京王線に直通する列車のみが運行しています。特に、都営新宿線からの電車の多くがこの路線を経由して笹塚駅まで運行するため、運転系統上は都営新宿線の延長のような役割を果たしています。ダイヤは基本的に分離運転を前提としておらず、輸送障害時でも都営新宿線との直通運転が中止されることはありません。ただし、運営・設備管理・運行管理は京王電鉄が行っており、保安装置も京王のものを使用しています。

ダイヤ

日中は、都営新宿線との直通運転で、区間急行と快速が交互に1時間あたり計6本、各駅停車が3本程度運行されます。これらの列車は、都営新宿線内では急行運転を行うものもありますが、京王線内では区間急行となります。早朝や深夜には、新線新宿駅発着の各駅停車も運行されます。

特徴的な駅

初台駅と幡ヶ谷駅は、京王線の線増時に新線側にホームを移設したため、京王線の列車はこれらの駅を通過します。そのため、京王線新宿駅からこれらの駅へは、新線新宿駅を経由する必要があります。また、定期券の経路に新宿駅 - 笹塚駅間が含まれている場合は、京王線・京王新線のどちらにも乗車でき、初台駅・幡ヶ谷駅など、どの駅でも乗り降りが可能です。

将来構想

西新宿三丁目西地区再開発において、新線新宿駅と初台駅の間に新駅を設ける構想がありました。

まとめ

京王新線は、京王線の輸送力を向上させ、都営新宿線との直通運転を可能にした重要な路線です。地下を走るため、地上とは異なる風景を楽しむことができ、また、初台駅や幡ヶ谷駅のような独特な構造の駅も見どころです。

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