京芸和睦

京芸和睦の概要

京芸和睦（きょうげいわぼく）は、豊臣政権と安芸の毛利氏の間で結ばれた平和協定であり、この取り決めにより織豊政権と毛利氏の長い対立がようやく収束を迎えました。
この和睦に至るまでの経緯は、織田政権と毛利氏の初期の友好関係や、やがての敵対関係についての複雑な背景を含んでいます。

織田政権と毛利氏の関係の変遷

織田信長が中央政権を確立しようとする中、彼と毛利氏との間には緊張が高まりました。初めは友好的だった関係が、織田氏の領国拡張に伴い変化し、毛利氏は織田氏の圧力にさらされることとなりました。
それに伴い、毛利氏は備後の鞆に逃れた将軍・足利義昭を支援し、鞆幕府を樹立することに成功しました。しかし、これに対して信長は毛利氏との全面戦争を避けるための圧力をかける一方、同盟関係にあった他の勢力とも手を結び、戦いを繰り広げました。

和睦の背景

天正10年（1582年）、備中高松城の戦いの最中に、信長が本能寺の変により急死しました。信長の死を知らない毛利氏に対し、羽柴秀吉は早速講和を持ちかけ、それが実現することとなります。この講和は双方の意向を反映したものであり、毛利氏の領地の一部を割譲する形で合意が形成されました。
6月には備中高松城が開城し、城主の清水宗治が自らの命を絶つという厳しい結果を経て、和睦が進展しました。しかし、当初の合意はあくまで戦闘を中止するための停戦協定であり、全面的な講和が成立したとは言いがたい状況でした。

講和交渉の進展と課題

その後の講和交渉では、秀吉の軍事的勝利が影響を及ぼす中で、毛利輝元は重要な決断を迫られました。輝元は、秀吉の要求に眼を向けつつも、国境の画定については慎重に議論を重ねる必要がありました。特に、美作・備中・伯耆の三国の割譲を巡る交渉では、毛利氏の国人たちの反発があり、容易には進まない様相を呈していました。

輝元は、個々の国人の意向を無視できず、また秀吉の強硬姿勢もあり、領土割譲に関しては、難航する局面を迎えました。最終的には、天正13年（1585年）までに耐えた結果、毛利氏は安芸国や他の地域をその領土として認められ、秀吉との和平を実現するに至りました。
この時、輝元は合意によって本来の所領の多くを保全し、豊臣政権下での重要な大名として認識されることとなりました。

総括

京芸和睦は、織豊政権と毛利氏との対立を終息させる重要な出来事であり、双方にとって大きな意義を持つものでした。この和睦によって、両者は再び政治的な関係を構築する基盤を得たのです。長きにわたった緊張関係を終わらせるその歩みは、戦国時代の歴史を変化させていく重要な一歩となったのです。

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