京都の女の子

研ナオコ「京都の女の子」詳細解説

1972年7月1日に東宝レコードから発売された研ナオコの4枚目のシングル「京都の女の子」。この楽曲は、作詞を阿久悠、作曲・編曲を森田公一が手掛けた、昭和歌謡を代表する一曲です。

楽曲の特徴

この曲は、前年の国鉄キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」の流れを汲むようなご当地ソングであり、歌詞には京都の著名な観光地が多数登場します。具体的には、清水寺、河原町、嵐山、比叡山、苔寺、京極、五条大橋、三条、鴨川、高瀬川、四条、木屋町、烏丸といった場所が、歌詞に順序良く組み込まれています。楽曲はヘ短調で、オーソドックスな8ビートで構成されており、懐かしい「一人GS」風のアレンジと演奏が特徴的です。

ヒットと再評価

「京都の女の子」は、研ナオコにとってデビュー以来初のオリコンシングルチャートインを果たし、最高52位、約4.2万枚の売り上げを記録しました。しかし、東宝レコードの消滅により、長らく聴くことが困難な状況が続きました。その後、1997年に発売されたCDボックスセット『移りゆく時代 唇に詩〜阿久悠 大全集〜』で初めてCD化され、2008年の阿久悠作品集にも収録されました。しかし、これらのCDはいずれも高価であったため、研ナオコの東宝レコード時代の音源の単独CD化がファンに待望されていました。そして、2013年についに『研ナオコ シングルA面コンプリート』が発売され、この曲も収録されることとなりました。

アルバム版とシングル版の違い

オリジナルアルバム『女ごころ』に収録されているバージョンは、シングル版とは異なり、イントロがフェードインで始まるアルバムミックスです。シングル版のイントロの特徴的なエレキギターの弦をピックで擦る音「キュッキュッキュッキュッ…」は、アルバム版では無音状態から徐々に大きくなっていく演出がされています。

B面曲「ボーイフレンド」

B面には「ボーイフレンド」が収録されています。この曲は嬰ヘ短調で始まり、サビで変ト長調（または嬰ヘ長調）へと転調する構成です。歌詞は、主人公がボーイフレンドに対して拗ねたりしながらも、彼の長所に惹かれていく心情を歌ったものです。「ボーイフレンド」は、オリジナル7インチシングル盤以来、長らくB面曲として扱われ、また「京都の女の子」のヒットに隠れる形で忘れられた存在となっていました。しかし、2014年に発売された『研ナオコ シングルB面コンプリート』で初めてCD化され、約39年ぶりに世に出ることとなりました。

ジャケットのバリエーション

オリジナル7インチシングル盤には、2種類のジャケットが存在します。どちらも京都駅前と思われる場所で撮影された写真が使われていますが、1つは研ナオコがほぼ無表情で写っているもの、もう1つは笑顔で写っているものです。

その他

愛知県豊田市下山地区では、この曲が盆踊りの定番曲として親しまれています。

JASRAC作品データ

「京都の女の子」のJASRAC作品データは以下の通りです。
内国作品／出典：PO(出版者作品届)
作品コード：024-4420-8
ISRC：JPVI00520170またはJPPC07250228

「ボーイフレンド」のJASRAC作品データは以下の通りです。
内国作品／出典：PO(出版者作品届)
正題：「ボーイ・フレンド」
作品コード：077-2997-9
ISRC：JPPC07250231

この曲の特異な点として、同じ音源でありながら、CD化の際に異なるコードが付与されていることが挙げられます。これは、レコード会社が消滅し、マスター音源が別の会社からCD化された際に、CD化した会社のコードが付与されるケースによるものです。

収録曲

1. 京都の女の子（2分53秒）
2. ボーイフレンド（3分17秒）
作詞：阿久悠
作曲・編曲：森田公一

収録アルバム

「京都の女の子」
『女ごころ』（オリジナルLP盤規格品番：AX-4008／1973年11月25日発売／東宝レコード）
『その道・オリジナル14』（オリジナルLP盤規格品番：AX-6035／1975年発売（ベストアルバム）／東宝レコード）
『研ナオコ シングルA面コンプリート』（CD規格品番：PCCA-3911／2013年9月18日発売／ポニーキャニオン）

「ボーイフレンド」
『その道・オリジナル14』（オリジナルLP盤規格品番：AX-6035／1975年発売（ベストアルバム）／東宝レコード）
『研ナオコ シングルB面コンプリート』（CD規格品番：PCCA-4030／2014年5月21日発売／ポニーキャニオン）

この楽曲は、発売から年月を経てもなお、多くの人に愛され続けている昭和歌謡の名曲と言えるでしょう。

もう一度検索