京都市東山区の町名

京都市東山区の町名について

京都市東山区は、鴨川の東に位置し、古くからの社寺や観光地が多く存在する歴史豊かな地域です。この記事では、東山区の町名について、その成立や変遷を詳しく解説します。

東山区の概要

東山区は、京都市街地の東側に位置し、南北に細長い形状をしています。区域は、北は左京区、東は山科区、南は伏見区、西は南区、下京区、中京区に接しています。面積は約7.48平方キロメートルで、京都市11区の中では比較的小さく、人口は約3万5千人と最も少ない区です。かつては山科区も東山区に含まれていましたが、1976年に分区しました。

区内には、清水寺、祇園、八坂神社など、国内外から多くの観光客が訪れる名所が点在しています。

町名の概要

京都市の町名には、旧村名や大字名に由来する地名を冠するものと、単独の町名があります。東山区では、西部の旧下京の町組に属していた地域は単独町名が多く、東部や南部には旧村名などを冠した複合町名が見られます。

昭和55年（1980年）時点で224の町名が存在し、これらの町名は現在も存続しています。丁目を含む場合は262町となります。

町組から学区への変遷

明治時代初期、東山区の町は下京第一〜第四十一番組、後に下京第一〜第三十三番組に組織されました。その後、明治25年（1892年）には32の「学区」に再編されました。学区は昭和17年（1942年）に廃止されましたが、「元学区」として地区の呼称として現在も使用されています。

住所表示には通り名を用いることが多く、「東山区東大路通松原上る四丁目毘沙門町」のように、通り名と交差点からの位置関係で場所を示します。

その他の町名

粟田口

「粟田口」を冠する町名は、もとの愛宕郡粟田口村に由来します。粟田口村は、明治21年（1888年）に上京区に編入され、後に左京区、そして東山区へと所属が変わりました。現在は、「粟田口」を冠する9つの町名が存在します。

清閑寺

「清閑寺」を冠する町名は、もとの愛宕郡清閑寺村に由来します。清閑寺村も、下京区を経て東山区に編入されました。現在は、「清閑寺」を冠する7つの町名があります。

今熊野・泉涌寺

「今熊野」および「泉涌寺」を冠する町名は、もとの愛宕郡新熊野村（今熊野村）および泉涌寺門前に由来します。これらの地域も、下京区を経て東山区に編入されました。現在は、「今熊野」を冠する18の町名があります。

本町十一丁目〜二十二丁目

本町十一丁目〜二十二丁目は、もとの紀伊郡東福寺門前の一部です。明治時代に下京に編入され、本町十一丁目〜二十二丁目に改称されました。

福稲

「福稲」を冠する7町は、もとの紀伊郡深草村大字福稲の一部です。大正7年（1918年）に下京区に編入され、後に東山区に所属しました。

一橋

「一橋」を冠する2町は、もとの紀伊郡柳原町の一部です。下京区を経て東山区に編入され、昭和8年（1933年）に冠称を「一橋」に変更しました。

区内の同一町名

東山区内には、同一の町名が別の場所に複数存在する例が6組あります。例えば、「辰巳町」は、清水寺の入口と三十三間堂の西側にそれぞれ存在し、起源を異にする別の町です。

その他

東小物座町附属

「東小物座町附属」は、一部の条例で「東小物座町」と別個の町名として扱われていますが、詳細な情報は不明です。

今熊野月輪町、今熊野鳥辺山町、六波羅野

これらの町名は条例に記載されているものの、地図上に存在しない、または詳細不明な町名です。陵墓の可能性がある、または所在地が不明であるとされています。

清閑寺法華寺山町

一部の地図上に表示されないものの、清閑寺下山町と清閑寺山ノ内町の間に存在します。妙龍山法華寺の周辺が該当すると考えられています。

東山区の町名は、その成立過程や変遷を通じて、地域の歴史や文化を色濃く反映しています。これらの町名を辿ることで、東山区の魅力をより深く理解することができるでしょう。

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