京都市電蹴上線

蹴上線の歴史と発展

蹴上線（けあげせん）は、かつて京都市内の東山仁王門と蹴上を結んでいた市電の路線です。この路線は、京都電気鉄道によって建設され、1895年に木屋町二条から岡崎円勝寺町を経て南禅寺までの鴨東線として開業しました。これにより、当時の人々は岡崎公園へのアクセスが非常に便利になりました。

路線の拡張と変更

その後、1907年に南禅寺から蹴上までの延伸が行われ、さらに1918年に京都市によって路線が買収されました。1926年、東山仁王門から岡崎円勝寺町間の広軌路線が開業し、岡崎円勝寺町から南禅寺、蹴上間も広軌化されました。この改築により、木屋町二条から岡崎円勝寺町までの区間は一時的に運行が休止されました。

その後、第二次世界大戦の影響を受けて、1945年2月に全線が休止となります。京都市はこの時期に運行を継続できなくなり、そのまま路線は廃止の運命を辿りました。路線が廃止される前の経緯として、上述のように戦争の影響で使用する人が激減していったことが挙げられます。

最後の運行と屎尿輸送

休止から約2ヶ月後の1945年4月、円勝寺町停留所には屎尿の積込所が設けられ、市内から出る屎尿を京阪京津線に連絡する輸送が実施されました。この輸送は1946年の8月まで続き、その後、鉄道網は再編成されていきました。趣味で鉄道ファンが集う場所としても知られるこの線ですが、戦争という困難な状況にさらされながらも、地元の生活に寄与していたことが窺えます。

廃止後の影響と遺産

1965年には、全線が正式に廃止され、その跡地には濡れ衣のように他の交通手段が取って代わることになりました。廃線後、じわじわとその存在が忘れ去られましたが、現在でもその路線を辿ることで当時の面影を感じることができる場所があります。

さらに、当線の廃止に至るまで、木屋町二条から蹴上までの運行が行われていたため、次数が少ない路線ながらも形を変えて都市の発展に寄与してきました。今では、これらの歴史を記録する文献や地域の歴史として、多くの人々によって語り継がれています。

現代においても、蹴上線は京都市の交通史の一部として重要な役割を果たしており、その痕跡を通じて過去を振り返る良い機会を提供しています。

もう一度検索