京阪京津線

京津線（けいしんせん）

京津線は、京都府の山科区に位置する御陵駅から、滋賀県大津市のびわ湖浜大津駅までを結ぶ京阪電気鉄道の鉄道路線です。この路線は、石山坂本線と併せて大津線と呼ばれ、地域の公共交通において重要な役割を果たしています。

概要

京津線の起点である御陵駅から琵琶湖の近くのびわ湖浜大津駅までの区間を運行しています。御陵駅では、京都市営地下鉄東西線と直通運転を行っており、太秦天神川駅までの乗り入れも実現しています。終点のびわ湖浜大津駅では石山坂本線とも接続しており、この連携により京都市内と大津市を結ぶ効率的な都市間輸送が可能となっています。

この路線は全線がJR東海道本線（琵琶湖線）と並行しており、石山坂本線と共にJRの琵琶湖線や湖西線の補完的な役割も果たしています。京津線は、正式には御陵駅を起点としていますが、列車の運行においてはびわ湖浜大津駅発の方向が「下り」とされている点が特徴的です。特に、御陵駅から逢坂山を越えた大谷駅と上栄町駅間には61‰という急勾配が存在しています。また、上栄町駅からびわ湖浜大津駅までの区間は、路面電車のように道路上を走行する併用軌道という独自の構造を持っています。驚くべきことに、このような地下鉄と併用軌道を直通運転し、急勾配を越える鉄道路線は日本の中でも京津線のみです。

京津線は以前、御陵駅の西側にも併用軌道を備えた区間が存在し、京阪本線との接続を行なっていました。しかし、1997年に地下鉄東西線が開業し、乗り入れが開始されると、御陵駅以西の区間は廃止されてしまいました。この変化は京津線において運賃の高騰を招く要因ともなりました。

運賃とシステム

京津線では、PiTaPaやICOCAなどの交通系ICカードが利用可能で、かつてはスルッとKANSAIも利用されていました。特に地下鉄東西線が開業した後は運賃が別途加算されるようになり、京都市の中心からびわ湖浜大津方面への移動において、運賃が高くなったのが現実です。他の交通手段と組み合わせる場合も、通常は切符の再購入が必要となりますが、定期券やICカードを使用することでこの不便さを回避することができます。

現状では、京津線の運営は厳しい経営状況にあり、石山坂本線とも連携を取りつつ、様々な経費削減措置が行われています。過去には廃線の検討もなされましたが、地元自治体との協議を重ね、経営改善を模索しています。

車両とダイヤ

運行形態としては、毎時約3本の列車が運行され、朝・夜を中心に深夜の特別運行も設けられています。基本的に全ての列車が4両編成で運行され、より多くの利用者に対応しています。さらに、京津線では全線でワンマン運転を導入し、運賃は駅の改札を通じてのみ収受されています。この方式は、効率的に運営を行うための仕組みの一環です。

また、特別な時期には臨時運行も行われ、特に八月上旬に開催される「びわ湖大花火大会」の際には、通常とは異なり運転士が列車防護要員として乗務します。

新たな時代への展望

近年、にわかに注目を集める京津線ですが、これからも京都市営地下鉄との連携を深めつつ、地域社会に根差した交通手段としての地位を確立していくことが期待されます。今後の動向から目が離せません。

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