京都府道・兵庫県道122号久美浜気比線

京都府道・兵庫県道122号久美浜気比線（きょうとふどう・ひょうごけんどう122ごうくみはまけひせん）は、日本の一般府県道の一つとして、京都府京丹後市から兵庫県豊岡市にかけて指定されている路線です。この道路は、京都府北部の丹後半島西側、京丹後市久美浜町を起点とし、兵庫県北東部の但馬海岸、豊岡市気比を終点としていますが、最大の特徴として、府県境付近に車両の通行ができない分断区間が存在します。このため、全線を通して一本の道路として連続的に利用することはできません。

概要

本路線の起点は、京都府京丹後市久美浜町の栄町交差点です。この交差点は、日本海沿岸部を東西に結ぶ主要道路である国道178号と接続しており、また京都府道670号久美浜停車場線の終点とも重なっています。ここから道路は概ね北西方向へと延びていきます。終点は、兵庫県豊岡市気比に位置し、ここを走る兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線と交差する地点となります。地図上で見ると、京都府側の久美浜湾沿岸部と、兵庫県側の山間部を経由し、海岸に近い気比地区を結ぶルートとなっています。

分断区間の存在

久美浜気比線の最も特異な点として、京都府と兵庫県の県境をまたぐ山間部に、道路として整備がなされておらず、車両が物理的に通行できない区間が存在することが挙げられます。この分断区間があるため、起点の京丹後市側から終点の豊岡市側へ直接、この路線のみを辿って移動することは不可能です。この事情から、利用者は県境を越える際は別の道路を経由して迂回する必要があります。事実上、京都府側の区間と兵庫県側の区間は、それぞれ地域内の交通網の一部として独立した役割を担っていると言えます。

他の路線との重複区間

本路線は、複数の区間において他の府県道とルートを共有しています。これらの重複区間により、地域の交通網の一部として機能しています。主な重複区間は以下の通りです。

京都府道670号久美浜停車場線: 起点である京丹後市久美浜町の栄町交差点から、北近畿タンゴ鉄道宮津線（現：京都丹後鉄道宮津線）の久美浜駅前にある久美浜駅前交差点までの区間が重複しています。この区間は、久美浜駅への主要なアクセスルートとして、地域住民や観光客に利用されています。
兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線: 京都府京丹後市久美浜町の土居交差点から須地交差点にかけての区間で、両府県にまたがる主要地方道である香美久美浜線と重複しています。この重複区間は、久美浜湾南部の集落間を結ぶ幹線道路の一部を形成しています。
京都府道49号久美浜湊宮浦明線: 京丹後市久美浜町の須地交差点から、久美浜湾東部の湊宮地区にある空下交差点までの区間が重複しています。この区間もまた、久美浜湾沿岸地域の重要な生活道路の一部となっています。

これらの重複区間を合わせると、久美浜気比線は単独のルートとしてよりも、他の主要な道路と一体となって機能している区間が多いことが分かります。

地理

本路線に関連する地理的情報は以下の通りです。

通過する自治体: この府県道は、以下の2つの市を通過します。
京都府京丹後市
兵庫県豊岡市
ただし、上述の通り府県境で分断されているため、連続してこれらの市を通過することはできません。

交差する主な道路: 整備されている区間において、以下の主要な道路と接続または交差します。
国道178号（京丹後市久美浜町、起点の栄町交差点）
京都府道670号久美浜停車場線（京丹後市久美浜町、起点の栄町交差点および久美浜駅前交差点）
兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線（京都府京丹後市久美浜町、土居交差点・須地交差点および兵庫県豊岡市気比、終点）
京都府道49号久美浜湊宮浦明線（京都府京丹後市久美浜町、須地交差点・空下交差点）

交差する鉄道: 北近畿タンゴ鉄道宮津線（現在の京都丹後鉄道宮津線）と交差または並走する区間が存在します。特に久美浜駅の周辺で関連が見られます。

沿線施設: 道路沿いには、地域の生活や教育を支える重要な施設が点在しています。主な施設は以下の通りです。
北近畿タンゴ鉄道宮津線久美浜駅
久美浜郵便局
京丹後市立久美浜小学校
豊岡市立港小学校
豊岡市立港中学校

結び

京都府道・兵庫県道122号久美浜気比線は、起点と終点は指定されているものの、府県境に未整備の分断区間を持つという特殊な性質を持つ一般府県道です。複数の重要な他の府県道との重複区間を多く含みながら、それぞれの整備区間が、通過する京都府京丹後市および兵庫県豊岡市において、地域の交通網の一部として一定の役割を果たしています。全線を通して利用できる道路ではありませんが、沿線の生活や交通を支える上で重要な位置を占める路線です。

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