京都新城

京都新城の歴史と重要性

京都新城（きょうとしんじょう）は、豊臣秀吉の意向で関白豊臣秀次の聚楽第が取り壊された後、秀吉の子である秀頼のために建設されました。この城郭風邸宅は、京都御所の東南に位置し、豊臣関白家にとって正式な居所となりました。建設の背景には、秀吉の没後に秀頼が大坂城に常住するようになったことがあります。このため、京都新城は短期間の利用に留まり、主に秀吉の正室である高台院と秀頼の養子羽柴利次によって住居として使われました。

京都新城なる名称は現代のものであり、当初は「太閤御屋敷」や「太閤上京屋敷」と呼ばれるなど、その呼称は時代の流れに伴って変化していきました。ちなみに、増築や改修を経てこの新城がどのように変貌していったかは、明確には記録に残っていないことが多いです。

安土桃山時代の建設

安土桃山時代の慶長2年（1597年）の初頭、下京東部地域で新たな城の工事が開始され、後に京都御所の南東部に移転して完成しました。秀頼の城の具体的な構想は定かではありませんが、その立地から単なる宿泊施設以上の重要な意味を持つことが示唆されています。

完成はおおよそ5ヶ月後であった1597年の9月。秀吉と秀頼がこの屋敷を訪れ、特に秀頼はこの地から参内して叙任されるなど、政治的にも重要な拠点となりました。しかし、秀吉が亡くなると秀頼は大坂城に移り、高台院が改めて新城に居を構えました。

江戸時代の変遷

この後、高台院が再度新城に移住したものの、関ヶ原の戦いを前に防備を簡素化する必要がありました。屋敷の防御施設が撤去され、さらに江戸時代に入ると南部城郭が完全に取り壊されて住居部分のみが残されるという運命を辿ります。この時期、高台院の屋敷が大名から一般の旗本へと降格されたため、後に収公されることとなりました。

秀吉の死後、新城は徐々にその存在意義を失い、寛永元年（1623年）に高台院が亡くなると、屋敷は完全に収公され、敷地は仙洞御所の建設に利用されることとなります。その後、京都新城に関する物的証拠はほぼ消滅することとなりました。

発掘調査の成果

近年では2020年と2023年に行われた発掘調査で、京都仙洞御所内から新城の遺構が発見されるなど、再評価が進んでいます。特に最初の発掘では金箔が付いた瓦や石垣、堀跡などが確認され、その幅が約10.8メートルであることも明らかになりました。

これにより、京都新城の建設や構造に関する理解が深まり、またかつて古文書に記録された建物の存在と関連づけられることで、その歴史的重要性が再認識されています。このように京都新城は、単なる居住空間にとどまらない歴史的背景を持ち続ける場所なのです。

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