金箔

金箔について

金箔（きんぱく）は、金を薄く延ばしたもので、紀元前1200年頃に古代エジプトで製造が開始されたとされています。伝統的な金箔は純金を使用していますが、現在では真鍮から作られる「洋金箔」も一般的に用いられています。純金から作られるものは「純金箔」と称され、銀と銅を含むものは「(本)金箔」として識別されます。本記事では特に本金箔について詳述します。

金箔の用途

金箔はその独特の特性から様々な用途があります。特に利用が多い四号色の金箔は、金94.43%、銀4.9%、銅0.66%の割合で含まれており、厚さは約0.0001ミリメートルです。1立方センチメートルの金を用いることで、約10平方メートルの金箔を製造できます。この優れた展性を活かし、わずかな純金で広い面に美しい光沢を持つ装飾が可能です。

金箔は家具や建具、漆器、仏教美術品や歴史的建築物の装飾に幅広く用いられています。たとえば、金閣寺や中尊寺金色堂の内外装には、高級感が強調されています。また工芸技術として、金箔を用いた沈[[金]]や蒔絵、仏像の截[[金]]などが発展してきました。

歯科では、金箔を用いた修復法も存在し、具体的には直接金修復法という手法があります。さらに、金箔は料理の装飾にも使われ、日本では金沢市の地元産業として、ソフトクリームや羊羹、寿司に金箔を乗せた華やかな料理が提供されています。

金箔の製造プロセス

金箔の製造は、澄屋（ずみや）と箔屋（はくや）によって行われる分業体制が特徴です。

澄屋の役割

• - 金合わせ：金と微量の銀、銅を1300度で熱し、合[[金]]を作ります。
• - 延金：金合[[金]]を圧延機で100分の3ミリメートルまで延ばし、6センチメートル角に切断します。
• - 上澄：澄打ち用の紙を用いて延金を4段階に分けて打ち延ばし、その後、1000分の3ミリメートルに仕立てて箔屋に送ります。

箔屋の役割

• - 箔打ち：上澄を小片に切り、箔打ち用の紙に挟みます。機械で煎じられ、厚さ2～3ミリメートルまで延長されます。
• - 抜き仕事：作成した箔を検品して、品質ごとに仕分けます。
• - 箔移し：竹製の枠で適切なサイズに整え、三椏和紙に挟みます。これを経て、通常100枚を1単位として販売されます。

金箔の種類

金箔は主に2つの種類があります。

• - 縁付金箔：和紙製の箔打ち紙を使用し、光沢感が優れていますが高価です。
• - 断切金箔：グラシン紙を使用して作成され、効率よく製造されるため安価です。

製造の歴史と地理

日本では、石川県金沢市が金箔の主要な生産地となっており、総生産量の99%を占める「金沢箔」が有名です。高湿な気候や周辺にある漆器や仏壇の産地が影響を与えており、歴史的には江戸時代に幕府の独占の後、加賀藩の運営により発展しました。

安全性

金箔は、強酸とも反応しないため、安全に食用として利用されます。胃酸による影響を受けずに体を通過し、無害とされます。また、金と銀は食品添加物としても認可されています。

金箔の利用が広がる一方で、製造過程での汚染を防ぐ管理が重要とされています。安全性が実証されているため、様々な用途で活用され続けています。

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