人気もん!

『人気もん!』：中国地方の魅力を発掘したローカル番組

2005年から2012年にかけて、テレビ新広島制作によりFNS系列中国地方ブロックネットで放送された『人気もん!』は、中国地方の魅力を再発見するドキュメントバラエティ番組でした。7年間もの長きに渡り、全327回にわたって放送された人気番組は、柳沢慎吾さんをメインパーソナリティに、毎回異なる女性タレントと共に、中国地方5県を縦断。その土地ならではの新発見や、特産品、そして地域を支える人々を「人気者」として紹介しました。

番組は、基本的に市区町村単位で取材エリアを設定。時にはエリア単位で特集したり、総集編を放送するなど、多様な切り口で中国地方の魅力を伝えてきました。中国電力一社提供の番組として、その安定した放送体制は、地元視聴者にとってなくてはならない存在となりました。

ハイビジョン化とネット局の変遷

2009年にはハイビジョン制作に移行し、より高画質で魅力的な映像を提供するようになりました。放送網に関しても、当初は山口県ではテレビ山口が放送していましたが、2007年には山口放送にネット局が変更されています。これは、系列局の整備が進んだ2000年代以降において、中四国地方で比較的稀な事例と言えるでしょう。特に岡山県や香川県を除く地域において、系列局を持たないテレビ東京系列や独立局以外の番組で、放送中にネット局が変更されることは少なかったため、この変更は大きな話題となりました。

出演者とスタッフ

番組の顔であった柳沢慎吾さんの軽妙な語り口と、彼と共に旅をする女性タレント陣のフレッシュな視点が、番組を彩りました。女性タレントは、山口日記さん（2005年4月～2007年3月）、一戸奈美さん（2007年4月8日～2011年4月3日）、やない由紀さん（2011年4月10日～2012年3月18日）と、時代と共に変化。テレビ新広島アナウンサーの棚田徹さんがナレーターを務め、番組に安定感を与えていました。

制作スタッフにも、ベテランから若手まで、多くの才能が集結。構成、撮影、編集、美術など、それぞれの分野のプロフェッショナルたちが、番組のクオリティを支えていました。

放送休止と後番組

東京マラソンの中継がFNS系列で行われる奇数年には、番組は放送休止もしくは時間変更となっていました。また、2011年の東日本大震災や、マラソン中継などの影響で、放送休止となった回もありました。

2012年3月18日、7年間の歴史に幕を閉じた『人気もん!』。後番組は、中国地方の企業を紹介する『そ〜だったのかンパニー』となり、この番組ではテレビ山口でのネットが再開されました。

番組を彩る音楽とCM

番組のオープニングテーマにはMUSIA、エンディングテーマにはアキダスさんの「青い春」が使用され、番組の世界観をさらに豊かに演出。また、番組終了後には、デオデオ、中国電機製造、スタジオアリス、ますやみそ、給湯システムなどのCMが放送され、これもまた、地元密着型の番組らしい特徴の一つでした。

他の番組との関連性

放送時間帯が、フジテレビ系列で放送されている『ONE PIECE』と一部重なっていたことがありました。しかし、『人気もん!』をネットしていた放送局では、いずれも別時間帯に遅れネット放送することで対応していました。

『人気もん!』は、単なる観光番組ではなく、中国地方の人々と文化を深く掘り下げた、地域に密着した番組でした。その7年間の放送は、多くの視聴者の心に深く刻まれていることでしょう。

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