仁杉英

仁杉英（ひとすぎ ひで）

仁杉英は、嘉永6年8月23日（1853年9月25日）に生まれ、大正10年（1921年）11月10日に没した、日本の政治家、弁護士です。衆議院議員（壬寅会）、東京市区長を歴任しました。

生い立ちと初期の経歴

仁杉英は、江戸町奉行所の与力の家に生まれました。慶応2年（1866年）には与力見習となり、幕末の混乱期を役人として過ごしました。明治維新後は、市政裁判所や東京府に出仕し、新たな時代の行政に携わりました。明治3年（1870年）には東京府中学に入学、翌年からは洋学第一校でドイツ語を学び、西洋の知識を吸収しました。

弁護士としての活躍

明治11年（1878年）に代言人（現在の弁護士）となり、法律家としてのキャリアをスタートさせました。その後、弁護士として多くの事件に関与し、その卓越した法的知識と弁論術で、多くの人々の権利を守りました。

政治家としての経歴

明治20年（1887年）から東京府会議員、日本橋区会議員、東京市会議員、同参事会員を歴任し、政治家としての頭角を現しました。明治30年（1897年）には、日本橋区長に任命され、翌年には浅草区長を兼務するなど、東京の行政を担いました。明治35年（1902年）には区長を辞任し、市会議員に再選され、議長に選出されました。同年、第7回衆議院議員総選挙に出馬し、当選を果たし、国政にも進出しました。明治36年（1903年）には、深川区長に任命され、さらに本郷区長、本所区長、麹町区長を歴任し、東京の主要な区の行政を担いました。これらの経験を通じて、地方自治におけるリーダーシップを発揮しました。

晩年

仁杉英は、政治家、弁護士として多岐にわたり活躍し、日本の近代化に貢献しました。その生涯は、激動の時代を生き抜いた一人の人物の軌跡として、後世に語り継がれています。

参考文献

『新選代議士列伝』金港堂、1902年。
人事興信所編『人事興信録 第2版』人事興信所、1908年。
* 牛田義三郎編『大正東京府市名鑑』大正東京府市名鑑編纂会、1914年。

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