仁藤敦史

仁藤敦史氏は、1960年生まれの日本の歴史学者です。国立歴史民俗博物館の教授として、古代史を専門に研究活動を行っています。静岡県で生まれ、静岡県立静岡高等学校を経て、早稲田大学第一文学部日本史学専攻を卒業。その後、同大学大学院文学研究科博士後期課程を修了しました。1998年には、博士論文「古代王権と都城」で文学博士の学位を取得しています。

大学院修了後は、早稲田大学の助手、国立歴史民俗博物館の研究部助教授を経て、教授に就任しました。また、総合研究大学院大学文化科学研究科の教授も兼任しています。

仁藤氏の研究テーマは多岐にわたりますが、特に古代王権と都城の関係、古代官僚制、女帝の時代、卑弥呼と台与、遷都、藤原仲麻呂、東アジアとの関係など、幅広い分野で研究成果を発表しています。

著書には、『古代王権と都城』(1998年、吉川弘文館)、『古代王権と官僚制』(2000年、臨川書店)、『女帝の世紀 皇位継承と政争』(2006年、角川選書)、『卑弥呼と台与 倭国の女王たち』(2009年、山川出版社)、『都はなぜ移るのか 遷都の古代史』(2011年、吉川弘文館)、『藤原仲麻呂 古代王権を動かした異能の政治家』(2021年、中央公論新社)、『東アジアからみた「大化改新」』(2011年、吉川弘文館)などがあります。これらの著書は、古代史研究における重要な文献として広く読まれています。

また、共編著として『卑弥呼の「戦争と平和」 「魏志倭人伝」を読む』(1997年、歴史民俗博物館振興会)、『ものが語る歴史 よみがえる漢王朝』(1999年、歴史民俗博物館振興会)、『日本史諸家系図人名辞典』(2003年、講談社)、『歴史と文学のあいだ』(2006年、総研大日本歴史研究専攻)、『支配の古代史』(2008年、学生社)などがあります。

これらの著書や論文を通じて、仁藤氏は日本の古代史研究に多大な貢献をしています。その研究は、古代史の新たな視点を提供し、歴史の理解を深める上で重要な役割を果たしています。

さらに、近年の研究では、古代朝鮮半島における倭の拠点「加耶／任那」に関する研究も行っており、その成果は2024年10月に『加耶／任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』(中央公論新社)として刊行される予定です。また、東アジア史の視点から日本の古代史を考察する研究も継続して行われており、2024年2月には『古代王権と東アジア世界』(吉川弘文館)を出版しています。

仁藤敦史氏は、古代史研究の第一人者として、今後もその研究活動を通じて、古代史の新たな解明に貢献していくことが期待されています。

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