今出川定子

今出川定子（いまでがわ さだこ）は、元文4年（1739年）に生まれ、安永2年（1773年）に没した江戸時代中期の女性です。彼女は公家である今出川誠季の娘として生まれ、紀州藩第8代藩主・徳川治貞の正室となりました。兄は今出川公言で、別名として千穂君定子、院号として寛耀院の名も伝えられています。

生涯

定子は公家の娘として生まれ育ちました。宝暦5年（1755年）に、紀州藩主・徳川治貞に嫁ぎ正室となります。しかし、治貞との間には子供を授かることはありませんでした。当時の大名家では、正室が子を産めない場合、側室を迎えて家を継ぐことが一般的でしたが、定子の場合は側室を持つこともありませんでした。

彼女の兄である今出川公言の娘は、紀州藩の御連枝である伊予国西条藩主・松平頼謙の正室となっています。このように、今出川家は紀州徳川家と姻戚関係を結び、その関係を深めていきました。

定子は安永2年（1773年）に亡くなりました。彼女の死後、寛耀院という院号が贈られています。短い生涯ではありましたが、紀州藩主の正室として、その役割を果たしました。彼女の生涯は、大名家における公家出身の女性の役割や、当時の社会における女性の立場を考える上で、重要な事例と言えるでしょう。

今出川定子の生涯は、必ずしも多くの記録が残っているわけではありません。しかし、彼女が紀州藩という大名家の一員として生きた事実は、歴史の中に確かに刻まれています。彼女の存在は、江戸時代の社会や文化を理解するための、一つの手がかりとなるでしょう。

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