今出川公言

今出川公言（いまでがわ きんこと）は、江戸時代中期の公卿であり、公家の中でも高い家格を持つ清華家の出身です。正三位権中納言にまで昇りつめましたが、尊王の志を持っていたために、宝暦事件に連座し、不遇の晩年を送りました。しかし、その功績は明治時代になって認められ、従二位が追贈されています。

経歴

延享3年（1746年）に叙爵された後、今出川公言は清華家の当主として異例の速さで昇進を重ねました。侍従、左近衛権少将といった要職を経て、宝暦3年（1753年）には従三位・右近衛中将に任じられ、公卿としての地位を確立しました。さらに、宝暦6年（1756年）から宝暦8年（1758年）にかけては権中納言を務め、朝廷内での存在感を高めました。

しかし、順風満帆な日々は長くは続きませんでした。宝暦10年（1760年）に発生した宝暦事件は、公言の人生を大きく変えることになります。この事件は、竹内式部を中心とした尊王思想家グループが幕府批判を行ったもので、公言もその思想に共鳴していました。幕府はこれを厳しく弾圧し、公言も連座して出家させられるという処分を受けました。

公言を重用していた当時の天皇、桃園天皇も、幕府の圧力により、公言の官位を元に戻すことができませんでした。桃園天皇崩御後も、公言は不遇のまま過ごし、その才能が十分に発揮されることはありませんでした。しかし、幕府が倒れ、明治時代になると、公言の尊王の志が再評価されることになります。明治24年（1891年）には、名誉回復がなされ、従二位が追贈されました。

系譜

父：今出川誠季
母：今出川公詮の娘
妻：不詳
女子：勧修寺良顕室
養子：今出川実種（実父は西園寺公晃）

関連項目

菊亭家：今出川家と同じく清華家の一つ。
* 宝暦事件：今出川公言が連座した尊王思想弾圧事件。

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