今大路道三

今大路道三（いまおおじ どうさん）

今大路道三は、安土桃山時代から江戸時代にかけての医師であり、曲直瀬玄朔（二世道三）の子として生まれました。名は親純、親清、号は玄鑑。後陽成天皇より今大路の家名を賜り、剃髪後には道三と称しました（三世道三）。曲直瀬玄鑑の名でも知られています。

今大路家は、初代曲直瀬道三の門人が興した曲直瀬各家の宗家となり、道三の名を襲名して代々幕府の典薬頭（奥医師の上席）を務めました。彼の生涯は、医学の発展と社会への貢献に深く関わっています。

略歴

父：曲直瀬玄朔（二世道三）
母：初代曲直瀬道三の養女（実の孫娘）

道三は幼少の頃より父から医術を学びました。その才能は早くから認められ、徳川秀忠に小姓として仕えることとなります。

天正20年（1592年）2月28日、16歳の時に従五位下典薬助に任じられ、昇殿を許されました。後陽成天皇に拝謁し、橘姓と今大路の家号を賜ります。その後、剃髪し、僧位は慶長4年（1599年）12月28日に法眼、慶長13年（1608年）4月5日に法印に昇進しました。

慶長13年（1608年）には、徳川秀忠より700石の知行地（上総国武射郡・下総国印旛郡の内）を賜りました。慶長19年（1614年）の大坂の陣にも従軍し、戦場においても医療活動に従事しました。

元和9年11月（1624年1月）、東福門院の難産を救い（この時誕生したのが後の明正天皇です）、秀忠から脇差を賜りました。この功績は、彼の医学的才能と献身的な姿勢を示すものとして高く評価されています。

寛永3年（1626年）に将軍徳川家光と大御所秀忠が上洛した際、道三も秀忠に従って上洛しましたが、崇源院が重態に陥ったため、その治療を命じられ、急ぎ江戸へ向かいました。しかし、道三自身も帰東の途上で発病し、9月19日に箱根宿で死去しました（50歳）。彼の遺体は、箱根湯本の早雲寺に葬られました。

今大路道三は、その卓越した医学知識と人道的な精神により、多くの人々の命を救い、社会に貢献しました。彼の功績は、後世にまで語り継がれています。

参考文献

『日本人名大辞典』、講談社、2001年
『朝日日本歴史人物事典』、朝日新聞社、1994年
『寛政重修諸家譜』巻第五百九十三「今大路」
『寛政重修諸家譜 第四輯』国民図書、1923年（国立国会図書館デジタルコレクション）

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