今川範主

今川範主の生涯と系譜

今川範主（いまがわ のりぬし）は、江戸時代中期に名を馳せた高家旗本であり、今川家の17代当主としての役割を果たしました。彼は高家旗本である品川伊氏の次男として生まれ、1710年11月28日に13歳で将軍徳川家宣に御目見することで、その名を知られるようになりました。

正徳2年（1712年）、範主は本家である今川家に目を向け、兄の範高が亡くなった後、その末期養子となりました。その結果、5月26日に家督を相続し、表高家に名を連ねることとなりました。しかし、享保13年（1728年）6月28日に彼はわずか31歳でこの世を去り、短い生涯を閉じました。

系譜と家庭の背景

今川家は直房以来、親族からの養子を受け入れることで家系を続けてきました。範主の時代以降は、幕末の範叙まで、彼の男系の子孫によってこの家系が守られることになります。一方で、品川家から今川家の継嗣が送り出されたものの、三男の範増が若くして亡くなったため、一時的にその系図は断絶する運命にありました。

範主の家庭について見ると、正室は存在しなかったものの、少なくとも2人の側室がいたことが記録されています。これは、身分の低さなどの理由から、正室に迎えられなかったと考えられています。彼には3人の男の子と2人の女の子がいました。長男の範彦が家督を継ぐこととなり、次男の松平勝文は旗本の松平勝秀（500石）の養子となりました。

長女は大番士赤井林幸（550石）に嫁ぎましたが、後に離婚してしまう波乱もありました。三男の義泰は長兄の範彦の養子となり、家督を継ぐことが決まっています。次女は御小姓稲垣正庸（600石）の妻となり、家計を支える役割を果たしました。

文献の紹介

今川範主に関する情報は、いくつかの文献に詳しく記されています。特に参考となるのが、『寛政重修諸家譜』の巻第九十四や、観泉寺史編纂刊行委員会編の『今川氏と観泉寺』です。これらの資料を参照することで、彼の生涯やその家系についての理解を深めることができます。

今川範主の短い生涯とは裏腹に、彼の家族や系譜は複雑で、幕末に至るまで多くの人々に影響を与えました。彼の存在は、江戸時代の武士社会を形成する一端を担っていたと言えるでしょう。今川家の歴史は、範主の時代を経て、さらなる世代に継承されていくことになりました。

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