今庄宿

今庄宿（いまじょうじゅく）

今庄宿は、かつて越前国南条郡に位置した北陸道（北国街道）の宿場町であり、現在の福井県南越前町に位置します。2021年8月には、「南越前町今庄宿伝統的建造物群保存地区」として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

概要

今庄は、山々が連なる北陸地方の難所を控え、京の都から北陸地方への入り口として、古くから交通の要衝でした。江戸時代には、参勤交代の宿場町として栄え、当時の面影を残す町並みが今も残っています。

2020年12月14日、南越前町は国の重要伝統的建造物群保存地区（重伝建）への申請を行いました。福井県内では、すでに熊川宿（若狭町）、小浜西組（小浜市）が選定されています。対象区域は、今庄宿の旧北国街道沿い約1.2kmに及ぶ建造物群で、約9.2haのエリアです。このエリアには、江戸時代に建てられた建物が8棟現存し、昭和30年代以前に建てられた伝統的建造物約160棟のうち、景観の維持・復元について所有者の同意が得られた118棟が申請対象となりました。

南越前町は2017年4月から今庄宿の調査を開始し、2019年12月には地元住民らで組織された「今庄宿まちづくり推進協議会」の協力を得て、住民向けの説明会を開始しました。計9回の説明会を経て、町はこれを観光活性化の起爆剤とし、空き家を飲食店へ転用したり、移住者を誘致する方針です。

主な建造物・施設

問屋場跡
高札場跡
御札場跡
御茶屋場馬跡
文政の道しるべ
旅籠若狭屋（武士や町人が宿泊した旅籠。天保年間には55軒の旅籠があり、若狭屋はその中でも最大規模でした）
京藤甚五郎家
本陣跡
脇本陣跡（本陣の予備施設。特に加賀藩の利用が多く、「加賀本陣」とも呼ばれました）

造り酒屋

江戸時代には15軒もの酒屋が軒を連ね、街道を行き交う旅人の喉を潤しました。現在も、今庄には街道沿いに4軒の造り酒屋があります。

堀口酒造（大屋）
北善商店（善六）
白駒酒造（中大）
畠山酒造（玉や）

重要伝統的建造物群保存地区基本データ

名称: 南越前町今庄宿伝統的建造物群保存地区
種別: 宿場町
面積: 9.2ヘクタール
所在地: 福井県南条郡南越前町今庄
選定年月日: 2021年8月2日
選定基準: （二）伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの

今庄そば

今庄のそばは、古くから今庄宿を訪れる旅人の楽しみの一つでした。歯ごたえと風味の良さで知られています。明治時代に鉄道が開通し、今庄駅のプラットホームで停車時間を利用した「立ち食いそば」が誕生したことがきっかけで、全国的なブランドとなりました。2020年現在、今庄には12軒のそば店があります。その他、そば粉を使った半生そばやお菓子などの土産物も販売されています。

関連項目

今庄駅
* 北陸本線

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