今日マチ子

今日マチ子：繊細な画風で描く、思春期と戦争の物語

今日マチ子は、東京都出身の漫画家、イラストレーターです。東京藝術大学とセツ・モードセミナーを卒業後、ライター兼イラストレーターとして活動を始めました。

デビューまでの道のり

彼女は女子学院中学校・高等学校を経て、東京藝術大学に進学。在学中は現代アートを扱う先端芸術表現科に所属し、同人誌の制作や自費出版の方法などを学びました。大学2年生からは、通学時間の長さを活かし、1ページのミニコミフリーペーパー『Juicy Fruits』を発行。3つの名前を使い分け、取材、執筆、イラストレーションを一人でこなし、約3日に1回のペースで発行し続けました。この活動は、彼女の漫画家としてのキャリアの出発点となりました。

大学在学中はライター兼イラストレーターとして活動し、都築響一氏のもとでインターンシップを経験するなど、幅広い経験を積みました。卒業後は、みくに出版でアルバイトをしながら、漫画の執筆を依頼され、『進学レーダー』に掲載された受験漫画「実録！中学受験」で事実上のデビューを果たします。

センネン画報：口コミで広がったライフワーク

2004年、ブログで1ページ漫画『センネン画報』の連載を開始。当初はナンセンスギャグ中心でしたが、近代詩への回帰をきっかけに、思春期の少年少女をテーマとしたサイレント作品へと変化を遂げました。青を基調とした透明感のある画風と、文房具や包装紙などの身近な物を暗喩的に用いる独特の手法は、多くの読者を魅了しました。

『センネン画報』は口コミで人気が広がり、文化庁メディア芸術祭で審査委員特別推薦作品に2年連続で選出されるなど高い評価を得ました。目標としていた1000枚の掲載を達成した後も継続され、今日マチ子にとってライフワーク的な作品となっています。2012年には少女と戦争をテーマにした「いちご戦争」シリーズを開始し、日本[[漫画家協会賞]]大賞を受賞するなど、大きな成功を収めました。

代表作：みかこさん、cocoon、そしてその他

『センネン画報』の書籍化をきっかけに、講談社の『モーニング』で連載された『みかこさん』は、無口な女子高生を主人公とした青春もので、7巻に及ぶ長期連載となりました。『センネン画報』と同様の手法を用いながらも、登場人物たちの心の動きや葛藤を描いたストーリー性のある作品です。

沖縄のひめゆり学徒隊をモチーフとした戦争漫画『cocoon』は、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出され、劇団マームとジプシーによって舞台化もされています。さらに、アンネ・フランクの日記をモチーフにした『アノネ、』や、東日本大震災を背景とした作品など、戦争や社会問題をテーマにした作品も発表しています。

その他、多数の漫画誌に連載を持ち、様々なテーマの作品を発表し続けています。

受賞歴と作品リスト

今日マチ子は数々の賞を受賞しており、その作品リストは多岐に渡ります。代表的な作品には、『センネン画報』シリーズ、『みかこさん』、『cocoon』、『アノネ、』、『いちご戦争』などがあります。また、絵本やイラストレーション、装画なども手がけており、その才能は多方面で発揮されています。

最新情報

2023年には、『cocoon』のアニメ化が発表され、2025年のNHKでの放送が決定しました。コロナ禍においてはTwitterで発表した#Stayhomeシリーズが話題となり、町田市民文学館ことばらんどでの展示会も開催されました。

今日マチ子は、その繊細な画風と、思春期の心情や戦争の悲しみを独特の視点で描く作風で、多くの読者を魅了し続けている漫画家、イラストレーターです。今後も彼女の作品から目が離せません。

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