今村次吉

今村次吉について

今村次吉（いまむら じきち）は1881年3月15日に生まれ、1943年4月17日に逝去した日本の著名な大蔵官僚及び実業家です。東京帝国大学を卒業した彼は、大日本蹴球協会（現在の日本サッカー協会）の初代会長を務め、さらに大日本レスリング協会の会長や大日本陸上競技連盟の顧問としても活躍しました。

経歴

今村は、父である今村有隣の次男として誕生しました。有隣は明治・大正期の著名なフランス語学者で、兄の今村新吉も精神病理学者として名を馳せました。彼自身は1891年に東京高等師範学校附属小学校、1897年には東京高師附属中学校を卒業し、第一高等学校に進学しました。大学に進学後は陸上競技に転向し、特に卓越した成績を残しました。

卒業後の1904年、今村は大蔵省に入省し、文官高等試験を経て、同省の書記官やロシア駐在の財務官を歴任しました。1920年には退官し、東京市財務局長に就任。その後、亞細亞林業社長や日露実業常務としても活動しました。また、スポーツにおいても1912年のストックホルムオリンピックで競技委員を務めました。

1913年には、大日本体育協会の総務理事に選出され、スポーツ界の重要な役割を担うことになります。1921年には大日本体育協会の筆頭理事として、サッカーの普及に寄与し、日本蹴球協会の会長に就任しました。彼の在任中、日本のサッカーは急速な成長を遂げ、後に「ベルリンの奇跡」として語られるような成果を生み出しました。

家族

今村次吉の家族についても知っておくべきことが多いです。父・有隣は学者として知られ、兄・新吉もまた教育分野で活躍しました。妻は東京府立第二高等女学校を卒業した喜久子で、2人の息子と1人の娘がいます。長男の進一は大蔵省に勤務し、長女の貞子は日本相互銀行取締役社長の坂口芳久と結婚しています。三女は海軍航空廠の研究者となり、家族はそれぞれの分野で活躍しました。

スポーツ活動

今村は陸上競技とサッカーにおいても活躍しました。特に、東京高師附属中学校時代に行ったレースでは有名なランナーに勝利し、大学でも運動会で数々の優勝を飾っています。サッカーについては、東京高師附属小学校での授業を通じて興味を持ち、後に日本サッカー協会の設立に貢献したことが大きな意義を持っています。1919年の銀杯寄贈を契機に、日本サッカーの統括団体の設立に関与し、1921年に日本蹴球協会の初代会長として就任しました。

彼の努力により、日本サッカーは確固たる基盤を得て、全国優勝競技大会（後の天皇杯全日本サッカー選手権大会）が創立されることとなりました。

栄典と影響

今村次吉は1919年8月11日に正五位を受けるなど、その功績が評価されました。彼のスポーツ界に対する貢献は、サッカーに留まらず多岐にわたり、彼の業績は後の世代にも引き継がれています。2005年には日本サッカー殿堂にも選ばれ、その名前はサッカーの歴史に刻まれています。

まとめ

今村次吉は、大蔵官僚としての顔と、スポーツ界におけるリーダーとしての顔を持った人物です。彼の努力と情熱は日本スポーツの発展に多大な影響を与え、後世に語り継がれる存在となっています。彼の功績は今もなお日本のスポーツシーンに影響を及ぼしています。

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