今枝近義

今枝近義の生涯と業績

今枝近義（いまえだ ちかよし）は、慶長19年（1614年）に生まれ、延宝6年12月29日（1679年2月10日）に亡くなった江戸時代前期の武士で、加賀藩の家老として名を馳せました。彼は武士の家系に生まれ、父は加賀藩の同じく家老を務めた今枝直恒です。

幼少期と家族

近義は幼名を阿萬とし、通称として弥平次や民部を用いました。また、彼の名には直治、直賢、直友などの諱があり、号に関しては信斎と呼ばれていました。近義の正室は篠原長次の娘であり、家系をつなぐ重要な役割を果たしました。さらに、彼には養子の今枝直方があり、実弟である岡山藩家老日置忠治の五男を迎え入れています。

武士としての成長

近義は寛永5年（1628年）に祖父の今枝重直が死去したのち、その隠居料として500石を受け取ります。この頃から彼の人生は大きく動き始め、寛永12年（1635年）には元服を果たし、武士としての一歩を踏み出しました。さらに寛永19年（1642年）には宗門奉行を務め、藩内での重要な役割を担うことになります。

当時の加賀藩は、整然とした政治体系と軍事力を誇っており、近義もその一端を担うこととなりました。彼は慶安5年（1652年）に父直恒の死去に伴い、遺領の1万2500石を受け継ぎ、藩主前田綱紀の守役に就任しました。

防火活動と再興事業

近義は、明暦3年（1657年）に発生した明暦の大火の際に江戸藩邸の藩士を指揮して、防火活動に全力を尽くしました。この時の活動は、彼の指導力や責任感を示すと同時に、藩士たちとの結束を強める良い機会でもありました。

また、寛文2年（1662年）には1500石の加増を受け、祖父の菩提を弔うために蓮華寺を再興します。この活動は、彼がいかに家族との絆を重んじていたかを示しています。蓮華寺は、その後も地域の人々に安らぎを与える場所として機能しました。

晩年と死去

しかしながら、近義は寛文7年（1667年）に病を患い、家老の職を辞職します。延宝3年（1675年）には隠居し、養子の直方に家督を譲りました。彼は延宝6年（1678年）12月29日に65歳でこの世を去り、彼の墓所は野田山墓地にあります。

今枝近義の生涯を振り返ると、武士としての誇りを持ちつつ、家族や藩内に深いかかわりを持っていたことが分かります。彼の業績は今なお語り継がれており、加賀藩における重要な歴史の一部を形成しています。彼の波乱万丈の人生は、江戸時代の武士たちにとっての一つの模範ともなっています。

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