今真流

今真流（こんしんりゅう）

今真流、またの名を今眞流柔捕術は、江戸時代に関六郎藤原武綱によって創立された伝統的な武術の流派です。この流派は、当初は摂津国に拠点を置き、その後赤穂に移住した関六郎藤原武綱によって洗練されていきました。瞬時の反応や巧妙な技術が求められる武道であり、武者が持つべきさまざまな技を体系的に学びます。

歴史背景

今真流の歴史は、関六郎藤原武綱の創設に始まります。彼が開いたこの流派は、江戸時代中期、特に森藩政下の赤穂藩で継承されました。天保年間には、赤穂藩士の山本一之輔清信が今真流の皆伝を取得した際に、関口流の技術を取り入れることで、流派の技術がさらに豊かになりました。

今真流の10代目の宗家である上島三之助清忠は、赤穂藩で伝承されていた高木流と九鬼神流棒術も修行し、これらの技術を生かして空真流という新たな流派を創設しました。彼の弟子である松下匡は、上島から受け継いだ柔術や棒術を基にして能除修験流古武道を新たに開創し、空手の派生系である松下派空真流も立ち上げました。

現在、今真流は空真流及び能除修験流に一部が受け継がれています。2007年4月現在では、空真流空手道の第2代宗家である松崎寳龍が、今真流柔捕術第11代宗家を名乗っています。

今真流の技術構成

今真流には、形として立合、居捕、無刀捌などがあり、それぞれに多様な技が存在します。これに加えて、当身や急所、口伝なども含まれています。

居捕の技

• - 拳法、片手取、片手外、曲血柔、両手外捕、両手凌、蘇者、並、討者、連理、霞、貫〆、小具足

立合の技

• - 初段: 腕流、掴、小手返、破手、澤、襟〆、襟巻、両面、連理、腰車、片胸捕、両胸捕、追掛、久勝、袖裏
• - 中段: 胸当、破志踏、拳固、並、久勝、負掛、霞、腕巻、阪、手車、両面、袖引
• - 下段: 餌拾、餌返、腰車、腕砕、無刀、弓張、洞返、陣車、鴨入首、洗髪捕、鉢投、脇入、天狗投、心入、二人投、二人捌

無刀捌の技

• - 小太刀小手返、無刀鞘割、俊山〆揚、白刃捕、受流肩砕、受流肘当、両手掛一文字、両手掛投、袖下風折、心当身

系譜

今真流の系譜は以下の人物によって受け継がれてきました。

• - 関六郎藤原武綱
• - 山本一之輔清信
• - 山本豊助
• - 高坂甚三郎清教
• - 上田甚三郎
• - 赤田政治義教
• - 松原嘉平清賢
• - 金谷仙吉清徳
• - 金谷武蔵
• - 上島三之助清忠（空眞流）
• - 松崎寳龍
• - 松下匡（能除修験流）

脚注

出典: 松崎寶龍著『人生を勝負する―空眞流空手道極意』グラフ社、2005年7月1日。ISBN 978-4766208979。

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