今船停留場

今船停留場について

今船停留場（いまふねていりゅうじょう）は、大阪府大阪市西成区に所在する阪堺電気軌道阪堺線の停留場です。駅番号はHN54が付与されています。恵美須町方面行きのホームは天下茶屋北二丁目に、浜寺駅前方面行きのホームは天下茶屋東一丁目にそれぞれ位置しています。

歴史的背景

この停留場は、1980年11月28日に南海電気鉄道阪堺線の停留場として開設されました。開業の背景には、同年11月28日をもって廃止された南海平野線の存在があります。平野線には、今船停留場から約100メートルほど東に位置する飛田停留場がありましたが、その廃止に伴い、代替となる交通手段として近接する阪堺線に今船停留場が新設されることとなりました。

開業当時は、まだ南海電気鉄道の一部である南海大阪軌道線として運営されており、同線が1980年12月1日に阪堺電気軌道（2代目法人）へ営業路線を譲渡するわずか3日前の開業でした。このため、今船停留場は南海大阪軌道線時代に最後に開業した停留場という歴史的な側面も持ち合わせています。

阪堺電気軌道に移管されて以降、今船停留場は長らく阪堺線において最も新しく開業した停留場として知られていましたが、2015年2月1日に石津北停留場が開業したことにより、その座を譲っています。

名称の由来

停留場名である「今船」は、この地域にかつて存在した地名に由来しています。1973年11月に住居表示が実施されるまでは、この一帯は東今船町や西今船町という地名が用いられていました。停留場が開業した時点では、これらの地名は行政上の町名としては消滅していましたが、近隣には「今船ロータリー」（現在の天下茶屋東1交差点付近。今池ロータリーとも呼ばれます）が存在しており、地名としての「今船」の名残は地域に根付いていたため、停留場名として採用されたと考えられます。

停留場構造

今船停留場は、相対式のホームが互い違いに配置された千鳥式ホーム2面2線の構造を持っています。阪堺電気軌道の新設軌道区間に位置する多くの停留場では、安全確保のためホームが踏切の直前に設置されているのが一般的ですが、今船停留場では、上下線ともに踏切を通過した先にホームが設けられているという特徴があります。

また、ホームの有効長は1両分の車両がぎりぎり収まる程度の長さとなっています。これは他の停留場の一部に比べて余裕が少ない設計であり、この短いホーム有効長は、阪堺線で運行される新型車両である「堺トラム」や1101形車両が、当停留場では停車できない一因ともなっています。

停留場周辺

停留場のすぐ近くには大阪西成郵便局があり、地域の郵便業務を担っています。このほか、周辺には飲食店やコンビニエンスストアなども点在しており、地域住民や利用者の利便に供しています。

バス路線

今船停留場の最寄りとなるバス停留所は「天下茶屋北二丁目」です。この停留所には、大阪シティバスが運行する路線バスが乗り入れています。乗り入れている主な系統としては、あべの橋行きの路線に加え、地下鉄住之江公園行き（48号系統）やなんば行き（52号系統）などがあり、地域と主要ターミナル駅を結ぶ役割を果たしています。

隣接停留場

阪堺電気軌道阪堺線において、今船停留場（HN54）の隣の停留場は以下の通りです。

恵美須町方面：今池停留場（HN53）
浜寺駅前方面：松田町停留場（HN55）

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