仏米同盟条約

仏米同盟条約について

仏米同盟条約は、アメリカ独立戦争真っ只中の1778年にフランスとアメリカ合衆国の間で結ばれた防衛同盟の重要な合意です。この条約はイギリス軍からの相互防衛を目的としており、互いに軍事的な支援を無期限に約束しました。

条約の締結

この条約は1778年2月6日、パリのオテル・ド・クリヨンで、フランス国王ルイ16世とアメリカを代表する第二次大陸会議の代表団が調印しました。条約は仏米友好通商条約と併せて結ばれ、1800年のモルトフォンテーヌ条約で正式に終了するまで続きました。しかし、1798年にはアメリカ合衆国議会によって条約が無効化され、またルイ16世がフランス革命で処刑されたことも条約の影響を左右しました。

背景

1776年の独立宣言により、イギリスから独立を求めるアメリカにとって、フランスは最も有力な同盟候補となりました。フランスは過去の植民地戦争でイギリスに多くの領土を奪われており、報復を望んでいました。そのため、フランスの外務大臣ショワズールはアメリカとの同盟を視野に入れていたのです。

1776年のあと、アダムズが条約に関する原稿を作成し、大陸会議はフランスとの条約締結を目指すことになります。ベンジャミン・フランクリンを派遣し、フランスとの友好的な通商関係を築くことを目指しましたが、直接の軍事支援を求めることは禁じられていました。

条約の合意事項

この条約は互いの軍事力を結集し、イギリスに対する防衛を確保することを目的とし、さまざまな条項が盛り込まれました。

1. 防衛同盟の条件：条約の主要目的は、アメリカ合衆国の自由と独立を維持するための軍事同盟を形成することでした。
2. イギリスとの和平協定：条約にはイギリスとの和平条件が記載され、領土に関する合意が求められました。
3. 他国への招請：同盟に参加する国を募るための条件が示され、他国の支援を得るための枠組みもありました。
4. 領土の公約：アメリカとフランスがお互いの領土権を支援することを保証する条項が含まれました。

戦争への影響

条約が締結されると、フランスはアメリカに対し必要な武器や物資を供給するようになり、両国の軍事的な連携が強化されました。1779年にはフランス軍がアメリカ大陸軍と合流し、ヨークタウン包囲戦の成功に寄与しました。これにより、アメリカ独立戦争が戦後の和平交渉へと導かれました。

両国関係の変遷

しかし、1783年のパリ条約締結後、アメリカは条約の継続性を疑問視し、両国の関係は悪化していきました。特にワシントン大統領は、アメリカがフランスと永久的な同盟関係にあることを嫌っていました。このように、フランス革命が勃発したころには、アメリカの財務長官アレクサンダー・ハミルトンらは、新たな同盟の危険を訴えるようになります。

同盟条約の破棄

最終的に、1800年にモルトフォンテーヌ条約が結ばれたことで、仏米同盟条約は公式に破棄されました。このように、1863年のパリ条約の影響を受けながら、仏米同盟は歴史的な意義を持つ軍事条約として知られるようになりました。

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