仙台市交通局モハ400形電車

仙台市交通局モハ400形電車について

仙台市交通局のモハ400形電車は、魚介の風味や風景に親しむことができた仙台市電において、最後の新造車両として知られています。1959年から1963年の間に合計15両が製造され、運用されていた本車両は、コストダウンと効率的な運用を意識した設計が特徴です。

概要と設計

モハ400形電車はボギー車として、各鉄道車両メーカーによって製造されました。従来の電車よりも軽量化が図られ、不燃性にも配慮された構造が特徴です。また、各部品には市販の自動車の部品が利用されるなど、コストを抑える工夫が見られます。この設計は、東京都交通局の8000形電車の構造をモデルにしており、外観もわずかに類似しています。車両の底部には、埃からの保護や乗客の安全を考慮した車体外板が取り付けられ、当初は台車にもカバーがありましたが、メンテナンスの難しさから撤去されました。

台車と駆動方式

モハ400形の中でも、特に1961年製の405から407号車と1962年製の408から410号車には、仙台市交通局の職員が独自に設計した台車が搭載されています。この台車では、主電動機から動力が車輪に伝わる動輪と、伝わらない従輪が異なる径の異径台車が使用されています。具体的には、動輪の径が690mm、従輪は510mmです。この設計により、修理部品のコスト削減が実現され、納入も迅速でした。また、メンテナンスを考慮してピンやゴムを使用し、従来の軸受の刷動面は廃止されました。

一方で、他の車両には細径の従来型同径台車が使用され、駆動方式も吊り掛け駆動方式が採用されています。この違いは、製造にかかる時間やコストに依存していたとされています。

運用と保存状況

モハ400形は、製造された15両の中で415号車が最後の新造車両として成功裡に運用されました。これ以降は、新車の製造が終了し、各地域の路面電車からの譲渡により、運行が続けられました。また、411から415号車は前面窓の上にマーカーライトが設置されていない特徴を持っています。

1976年に仙台市電が廃止されるまで利用され、その後、408号車と415号車は長町車庫で保管されました。2020年時点では、仙台市電保存館で415号車が静態保存されており、その格別なデザインと技術を訪問者が目にすることができます。また、410号車から解体されたNK71形台車も同展示館に保存されており、その独特の構造を観察する機会も提供されております。

結論

仙台市交通局のモハ400形電車は、単なる電車以上の存在であり、仙台市の歴史においても特別な役割を果たしてきました。その革新性と技術力は、今もなお多くの人々に愛され、記憶されています。

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