仙台拘置支所

仙台拘置支所の概要

仙台拘置支所は、宮城県仙台市若林区古城に所在する刑事施設です。宮城刑務所の管轄下に置かれており、収容人員は322名となっています。この施設は、単に被疑者や被告人を収容するだけでなく、死刑確定者の収容施設としての側面も持ち合わせています。

歴史的背景

特筆すべき点として、東京拘置所に死刑執行設備が整う以前は、宮城刑務所が死刑執行の場所でした。そのため、仙台拘置支所に収容された死刑囚が宮城刑務所内で刑を執行されることが多く、「仙台送り」という言葉が、死刑を意味する隠語として使われた時代もありました。この歴史が、仙台拘置支所の持つ独特な背景を形作っています。

施設運営

拘置支所内の食事は、宮城刑務所の調理部門によって作られています。そのため、宮城刑務所で集団食中毒が発生すると、その影響が拘置支所にも及ぶことがあります。この事実は、両施設の密接な関係を示しています。

死刑確定者の収容

仙台拘置支所には、仙台矯正管区管内、つまり東北6県で死刑が確定した者が収容されています。これは、仙台拘置支所が東北地方における死刑囚収容の中心的な役割を担っていることを意味します。

現在収容されている主な死刑確定者には以下の人物がいます。

男HM：1986年に発生した仙台老夫婦強盗殺人事件の死刑囚。2005年に死刑が確定しました。
男TS：2001年に発生した仙台市暴力団幹部による強盗殺人事件の死刑囚。2009年に死刑が確定しました。
男TA：2012年に発生した会津美里町夫婦殺害事件の死刑囚。裁判員制度下で死刑が確定した人物です。2016年に死刑が確定しました。
男CY：2010年に発生した石巻3人殺傷事件の死刑囚で、少年死刑囚です。2016年に死刑が確定しました。

過去に収容されていた死刑囚

過去には、以下の死刑囚が仙台拘置支所に収容されていました。これらの人々は、死刑が執行されたり、獄死、恩赦などで刑を終えたりしています。

男K：1970年から1971年にかけて発生した福島連続保険金殺人事件の死刑囚。1993年に死刑が執行されました。彼は、死刑執行モラトリアム後、最初の執行者となりました。
男SK：1984年に発生した青森旅館連続女性殺人事件の死刑囚。1994年に死刑が執行されました。
男TK：1990年に発生した福島女性飲食店経営者殺害事件の死刑囚。1999年に死刑が執行されました。
男TM：2004年に発生したいわき市母娘強盗殺人事件の死刑囚。2008年に死刑が執行されました。
男KA：1986年から1991年にかけて発生した警察庁広域重要指定118号事件の死刑囚。2011年に獄中死しました。
男SY：上記KAの共犯者で、同じく警察庁広域重要指定118号事件の死刑囚。2013年に獄中死しました。
男OS：上記KA、SYの共犯者で、同じく警察庁広域重要指定118号事件の死刑囚。東京拘置所に移送後、2014年に獄中死しました。
女ES：1994年から1995年にかけて発生した福島悪魔払い殺人事件の死刑囚。戦後10人目の女性死刑囚であり、2012年に死刑が執行されました。
男KM：2001年に発生した武富士弘前支店強盗殺人・放火事件の死刑囚。2014年に死刑が執行されました。
男WK：2006年に発生した岩手県洋野町母娘強盗殺人事件の死刑囚。2015年に死刑が執行されました。
* 小池泰男：オウム真理教事件の死刑囚。2018年に死刑が執行されました。

死刑執行施設

死刑執行施設は、仙台拘置支所に隣接する宮城刑務所内に設けられています。

これらの情報から、仙台拘置支所は、単なる拘置施設ではなく、東北地方における刑事司法の一端を担う重要な施設であることがわかります。

もう一度検索