仙巌園駅

仙巌園駅について

仙巌園駅（せんがんえんえき）は、鹿児島県鹿児島市吉野町に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線の駅です。2025年3月15日に開業が予定されています。この駅の名称は、近隣にある国指定名勝の仙巌園に由来しており、観光客にとって分かりやすい名称となっています。

歴史

この駅の設置は、長年にわたる地域の要望と協議の結果実現しました。

2017年：鹿児島市が、日豊本線の竜ケ水駅から鹿児島駅間の磯地区に新駅「磯駅」の設置を検討する協議会を設立しました。この背景には、交通手段が乏しい磯地区へのアクセス改善と、観光振興による経済効果の期待がありました。
2018年：鹿児島市の協議会は、新駅設置が可能であるとの方針を示しました。
2019年：経済団体を中心に「磯新駅設置推進協議会」が設立され、鹿児島県知事へ新駅設置の要望書が提出されました。
2020年：新駅設置の事業主体として、経済団体、鹿児島県、鹿児島市が参加する「磯新駅設置協議会」が設置されました。駅の建設費用は、主に民間が負担し、鹿児島県と鹿児島市も一部を負担する計画となりました。
2021年：磯新駅設置協議会とJR九州との間で覚書が交換されました。
2023年：駅名候補が公募され、「仙巌園前」、「磯仙巌園」、「仙巌園」の3案がJR九州に提出されました。
2024年：駅名が「仙巌園駅」に決定し、発表されました。JR九州の社長は、選定理由として「仙巌園が一番シンプルで分かりやすい」と述べています。

年表

2021年3月31日：磯新駅設置協議会とJR九州が覚書を交換（当時の仮駅名は「磯新駅」）。
2024年3月26日：駅名を決定、翌27日に発表。
2025年3月15日：開業予定。

建築制限

駅の建設地は、仙巌園、錦江湾、桜島という景観保全地域に位置しています。また、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の緩衝地帯でもあるため、駅舎のデザインや色彩には厳しい制限が設けられています。建設にあたっては、文化庁やユネスコ世界遺産センターの承認が必要となります。さらに、駅予定地は埋蔵文化財包蔵地でもあるため、地中の文化財を傷つけない基礎工事が求められます。

バス路線

駅の建設予定地は、既存のバス停「仙巌園前停留所」に隣接しているため、バス停が駅前に併設される予定です。鹿児島交通、南国交通、鹿児島市交通局の路線バスがそのまま乗り入れる予定です。

駅周辺

磯海水浴場
尚古集成館
仙巌園
国道10号

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）
日豊本線：竜ケ水駅 - 仙巌園駅 - 鹿児島駅

仙巌園駅は、観光客や地域住民の利便性向上に貢献するとともに、地域の活性化にも寄与することが期待されています。

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