代(しろ/たい)とは
代(しろ/たい、頃とも表記)は、日本の
古代から中世にかけて用いられた土地の面積を表す単位です。当初は稲1束が収穫できる土地の広さを指していましたが、時代とともにその定義や換算方法が変化しました。
語源と読み方
『
日本書紀』には、中国の土地面積の単位である「頃」を借りて表記した例が見られますが、実際には用いられなかったとされています。読み方については、一般的に
古代には「しろ」、中世期に「たい」が現れたとされています。しかし、「しろ」という訓の根拠は南北朝時代の『
拾芥抄』までしか遡れず、
古代の実際の読み方が「しろ」であったかについては疑問視する意見もあります。
面積の変遷
代の初期の定義は、稲1束が収穫できる土地面積に基づいていたため、土地の肥沃度や水利条件によって面積が異なり、測定する人によっても差が生じる曖昧なものでした。その後、
唐の
度量衡が導入された7世紀前半(
舒明天皇の時代)に規定化され、高麗
尺方6
尺を1歩とし、1/50段=5歩=1代とされました。この時、1段は250歩と定義されました。
律令制度導入後、公式には代の使用はなくなりましたが、民間では引き続き使われました。この時期、1段が360歩に改められたため、それに
合わせて1/50段=7.2歩=1代と換算されるようになりました。中世以降も、段と組み
合わせて日本全国で広く用いられました。
江戸時代の
土佐藩では、
太閤検地後の1段=300歩の時期にも代が用いられ、1/50段=6歩=1代と換算されていました。
まとめ
代は、時代や地域によってその定義や換算方法が変化してきた土地の面積単位です。稲の収穫量から始まったこの単位は、
唐の
度量衡導入によって規定化されましたが、その後も民間では独自の慣習として長く使われ続けました。その歴史は、日本の土地制度や
度量衡の変遷を理解する上で重要な要素となっています。
参考文献
亀田隆之「代」『国史大辞典 7』(吉川弘文館 1986年) ISBN 978-4-642-00507-4
歌川学「代」『日本史大事典 3』(
平凡社 1993年) ISBN 978-4-582-13103-1
小森正明「代」『日本歴史大事典 2』(小学館 2000年) ISBN 978-4-095-23002-3
関連項目
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